大型トラック頻繁に 波佐見・南小の通学路 危険性高く 交通規制要望 町が川棚署に

トラックなど大型車の通行量が多く、事故の危険性が指摘されている三差路=波佐見町長野郷

 東彼波佐見町長野郷の町立南小(小柳明人校長、257人)の通学路で、児童の通学時間帯に大型トラックの通行量が多い場所があり、事故を不安視する声が上がっている。大津市の事故などを受け子どもの交通安全対策への関心が高まる中、町は川棚署に交通規制などの対応を要望。同署は現状を調べた上で、効果的な安全対策を検討する。
 問題視されているのは学校そばにある鶴川理容院前の三差路。全校児童の半数以上が通る。二つの町道が鋭角で交差する地点に横断歩道があり、左折車に横断中の児童が巻き込まれる危険性が指摘されている。
 6月のある日、午前7時半ごろ。交通ボランティアの鶴川信夫さん(80)と廣瀬由紀子さん(62)たちが登校を待っていた。そばには信号待ちの大型トラックが止まっている。「おはようございます」。児童が歩行者用ボタンを押すと、信号が青に変わった。鶴川さんらは先に車道に出て、横断歩道の両側に立つ。車用の信号も青に変わり、トラックが横断歩道近くに進入してきた。児童を渡し終えると、ボランティアは歩道に戻り、手旗を振って運転手に合図した。
 この日は、児童が登校を終える午前8時までに大型トラック約20台が通過。鶴川さんによると、登校時間帯は特に多いという。横断歩道ギリギリまで迫ってくる車や、一度で曲がりきれずに切り返しに時間がかかる車もあり、廣瀬さんは「いつ大きな事故が起きてもおかしくない」と心配する。道路には無数のタイヤ跡があり、歩道のガイドポールのうち1本は大きく傾いていた。
 6月の定例町議会で議員が取り上げたのを受け、町は登校時間帯に大型車両の交通規制を求める要望書を川棚署に提出した。署は交通状況や周辺の事業所への影響を調査する方針だが、大型車進入を防ぐには周辺2キロ以上の車道を規制しなくてはならず、ハードルが高いという。「地域への影響も考慮しながら、有効な対策について検討したい」としている。

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