「今の方が良い!」って言われるととても嬉しいですね
──最近の近況を聞かせてください。
西沢(Vo&G):今年でメメタァが結成10周年になるのでCDを作ったりツアーを廻ったりしています。
サンライズ太陽(Dr):去年、自分がメメタァに加入してからCDを出すこと、自主企画やワンマンライブ、サーキットフェスを企画することが出来たので、今回リリースする『インスタントソングe.p』からは、ワンマンのキャパを広げ新たなことに挑戦していけたらなと思って動いています。
──メメタァとして活動してきて、いろんなことがあった10年間かと思いますが早く感じましたか?
西沢:早く感じましたね。達成感みたいなものはあんまりなく、あっという間でした。
──現在のメンバーで固まったのが去年ですか?
サンライズ太陽:そうですね。僕が加入してから丁度1年経った感じです。早かったけど濃かったですね。いろんなことがありました。
西沢:最近、昔よく来てくれていたお客さんがまた来てくれるようになって。「今の方が良い!」って言われるととても嬉しいですね。
──7/6に新譜『インスタントソングe.p』が会場限定販売されますが、ライブでもお馴染みの4曲ですね。
サンライズ太陽:最近よく演奏していますね。前作は早いテンポの曲が多かったので、ミドルテンポの曲も良い曲が多いこともあり、今回は多めにしました。
西沢:ライブで演奏してからCDになることが多いのでライブの反響を見ながら曲を作ることが多いですね。物販で「今日演奏したあの曲は何の曲ですか」と聞かれたりすると、作品になる優先順位が高くなりますね(笑)。
サンライズ太陽:前回のEPからやっていることですけど、4曲目「I wanna be」は再録で以前から大事にしてきた曲でもあるので、お客さんから問い合わせされた時に昔のCDもオススメ出来るのかなって(笑)。
──今回の新作の録音にあたってプレイヤーとしてこだわりを聞かせてください。
工藤(Guitar):普段ライブで使っていないギターを使い、ベース用のエフェクターを繋いで1曲目の「ケロフォビア」を弾きました。あとレコーディング前に弦を張り替えている時にミスで一弦を切ってしまい、あまりの二弦の弦を一弦に張って録音しました。
西沢:竿やアンプもいくつかあるスタジオだったので、組み合わせも曲によって機材を変えたりしましたね。
川岸(bass):リズム隊の中で「もっと歌を聴かせよう」とか「ギターを聴かせよう」等のこだわりを出す為に支える部分を話し合ったりしました。
西沢:ライブの感じをそのまま録音しようというのはありましたね。
サンライズ太陽:ドラムはいかにライブに近づけるかを意識していました。普段からベースと話していたので前回よりスムーズに出来たと思いますね。4曲目「I wanna be」は、昔の音源よりも早いテンポになっていますね。なるべくライブに近づけるという意味でも。
音源が出てライブで演奏したら皆もより曲を理解してもらえるのかなと思います
──収録されている4曲についてお伺いしたいのですが、1曲目「ケロフォビア」はどんな曲でしょうか。
西沢:「ケロフォビア」は、幸せに対する恐怖症という意味なんです。
サンライズ太陽::幸せ恐怖症という、幸せになった分だけ不幸が訪れるのではないかという不安からなるみたいで。
西沢:変わらないままでも良いじゃないかという、何が幸せなのか感じようということを思って書いた曲ですね。
サンライズ太陽:「ケロフォビア」は一発でライブで伝えるのが難しい曲だったりするよね。2曲目「インスタントソング」や3曲目「クモの糸」の方が分かりやすかったりするかも。音源が出てライブで演奏したら、皆もより曲を理解してもらえるのかなと思います。
西沢:自分の曲は一発で分かるという曲が多い気がするけど、その中でも「ケロフォビア」は割と分かりづらい曲かもしれない。そういう意味でもチャレンジした曲でもありますね。
──2曲目「インスタントソング」はどうでしょうか。
サンライズ太陽:共演したバンドマンに「超好きな曲」って言ってもらえる機会が多いよね。
西沢:バンドマンも多いしお客さんの反応も良いですね。僕の曲は過去のことを歌う曲が多くて。でも「インスタントソング」はその時その時の気持ちをいつ歌っても一緒に歩んでいけるなと最近思っていて。そういう意味ではこの曲を書けたことは嬉しかったですね。歌詞は一夜くらいで書けたんですよ。
川岸:タイトルには「新曲」と書いてあって。カンペみたいな感じで書いてあって。そういった意味でもタイトルは「インスタントソング」でいいじゃんとなって(笑)。
西沢:「インスタントソング」には瞬間瞬間のという意味があって「ケロフォビア」のテーマと通じるものがあって、今をもうちょっと大事にという10年間のテーマソングという意味もあって。僕らのアンセムというか、10年バンドをやってきたということは僕らにしか出来ないことなのだなと感じていて、今この曲を出せることに意味があるなと思いました。
工藤:曲にしてからめちゃくちゃ良い曲じゃんと気づいて、よく演奏するようになったよね。
サンライズ太陽:どこで演奏してもこの曲は初めて聴いた人からの反応がとても良いですね。
西沢:嬉しいですね。懐古的な曲が多かったり、バンドマンっぽい曲が多かったりするのですが、いろんな人に喜んでもらえるのは凄く嬉しいです。
サンライズ太陽:この曲が出来てきて、成悟的にも違うステージに入ったんじゃないかなと思いますね。
──では3曲目「クモの糸」はどうでしょうか。
西沢:このメンバーになって4人で最初に作った曲ですね。ロフトに初めて出演した頃は「自分でやろう」的な所があってなるべく混ざらないようにしていたのですが、いろんな人に支えられて一緒にやっていくことは大事だなと思うようになって「クモの糸」を書きました。
サンライズ太陽:成悟は結構長い間一人で戦っていた様な気がする。バンドだけど一人でやろうとしていた感がずっとあったんですよ。
西沢:余裕が出てきたというのはありますよね。昔は「自分がなんとかしなきゃいけない」と思っていて。今は、今までで一番本当にバンドをやっている感じがします。
サンライズ太陽:「クモの糸」の歌詞でもその心境がいろいろと出ている気がします。
──4曲目「I wanna be-アンコール-」は再録とお聞きしましたが。
西沢:今のメンバーで再録して、20歳からある曲ですね。
サンライズ太陽:ライブでめちゃめちゃ演奏しているから、このメンバーで消化したいという気持ちがありました。前回の新譜では「ザ・ワールド」を再録したのですが、CD化をした時に「昔の曲は良いね」という話になって。「今回はどうする?」となった時に「I wanna be」が選ばれましたね。今回のEPの中にこの曲が入っているのもまた良いなと思います。
西沢:今回はテーマが一貫している4曲だなと思っていて。結果的に今を肯定出来るような4曲ですね。「I wanna be」では、「あんな風になりたい」という感じなんですけど、この曲を書いた頃に比べたら多少大人になっているので「なれないこと」も多少分かってくるけど、それでも憧れる気持ちを大事にしたいなという感じですね。
──今のメメタァを聴いているお客さんには特に響く1枚になりそうですね。この『インスタントe.p』を持って7月からツアーに廻るようですが、どんなツアーにしたいですか。
西沢:ツアーも過去、何回か廻っているのですが、初めて自分らで対バンを組みました。自分たちで会場を選んだことや初めて行く場所もあるので挑戦でもあります。
──対バンはどの様な基準で選んだのでしょうか。
サンライズ太陽:10年目だからこそ「今まで共演してきた人たちとやりたいよね」という話になりましたね。
西沢:最近出会った方達にも声を掛けていますね。あとはライブハウスと相性が良い人達を選んだり、各地の友達だったり。みんな即返事をしてくれて嬉しかったです。
──ツアータイトルは『メメタァのこたえあわせツアー』となっていますが、このタイトルの由来を聞かせてください。
西沢:前作に『間違い探しシンドローム』というCDを出して、『まちがいさがしツアー』のタイトルでツアーしていたのですが、そのまちがいさがしツアーの答え合わせでもあるし、10年活動してきてツアーや対バンも自分達で組んできて、10年活動してきたことが間違っていなかったのだなということを証明するようなツアーにするぞと思いタイトルに付けました。
この4人の楽しいライブを見て欲しいし、成悟の曲をとにかく聴いて欲しいですね。
──ツアーを終えたら今後メメタァとしてどんな活動をしていきたいですか。
サンライズ太陽:今のメンバーで全国流通のCDを出したいですね。後はライブのキャパシティを上げていきたいです。やっぱり西沢成悟の曲は全国の人に聴いてもらわないとダメだと思って加入したので、それはマストで果たしたいですね。その為にキャパシティを上げていくことと世間に広めて行くこと、この1年掛けてやってきたことをもっと加速を上げてやっていきたいですね。
──そういった意味での今回の『インスタントソングe.p』は良いきっかけになる気がします。
西沢:今年からサーキットフェス『メメフェス』を新宿マーブルとモーションの2箇所で開催したので、継続的に「メメフェス」を大きくしていきたいですね。ゆくゆくは新宿ロフトも巻き込んでやりたいです。
サンライズ太陽:このツアーで出会ってきた皆さんを集めてフェスが出来るような確認の場所でもあるのかな。
──最後にメッセージをお願い致します。
西沢:ライブに来て欲しいですね。CDも聴いて欲しいし。あとは、久しぶりな方にも聴いて欲しいですね。この10年間にメメタァを知ったり、以前ライブに来てくれた人にも、今のメメタァを知って欲しいなと思います。
サンライズ太陽:今後のメメタァを楽しみにしてもらいたいですね。この4人の楽しいライブを見て欲しいし、成悟の曲をとにかく聴いて欲しいです。