レッドブルF1代表「不振のガスリーに必要なのは頭を“再起動”すること」。シーズン中の交代はないと強調

 レッドブル・レーシングのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、ピエール・ガスリーがスランプを脱するためには、まず気持ちをリセットする必要があると考えている。チームは彼がポテンシャルを存分に発揮できるようになるために今後も支えていくと、ホーナーは語った。

 2019年にトロロッソからレッドブルに昇格したガスリーは、新チームメイト、マックス・フェルスタッペンとのパフォーマンス差に悩んでいる。フェルスタッペンはオーストリアで今季初優勝を獲得。ここまでの9戦でこの優勝を含み3回表彰台に上り、ランキングではフェラーリのセバスチャン・ベッテルを抜き、3位に位置している。

 一方でガスリーは今季最高位は5位にとどまり、フェルスタッペンとのポイント差は83点にまで拡大した。ガスリーは先週末のオーストリアではウイナーであるフェルスタッペンに周回遅れにされてしまった。

 レッドブルのモータースポーツコンサルタントを務めるヘルムート・マルコは最近、ガスリーの成績とパフォーマンスについて「受け入れがたい」と発言、それがチーム首脳陣はガスリーをシーズン途中にも外すことを考えているのではないかという推測を助長する結果になっている。

 しかしチーム代表のホーナーは、ガスリーを降ろすつもりはないと断言した。

「ピエールは今、難しい時期にいる。チームは彼をサポートするために最善を尽くしているところだ」

「彼に必要なのはリセットだ。彼の能力は十分わかっている。我々は、なんとかして彼の頭の中で“Control-Alt-Delete”を押して再起動する必要がある。彼は本来速いドライバーなのだ」

「彼にとっての問題は、マックスが毎週、好結果を出していることだ。それによって、自分もいいパフォーマンスを見せなければというプレッシャーが高まっている。だが、我々は彼をしっかりサポートしている」

「今も彼を信じている。彼には才能があるのだ。その才能を育てるため、全力でサポートしていく」

「ピエールを誰かと交代させるつもりはない。彼は我々の傘下のドライバーであり、彼と共に取り組み、そのポテンシャルを最大限に引き出すことを目指していく」

「今は困難な時期だが、それを乗り越えられるよう、力を尽くして支えていくつもりだ」

■ガスリー「批判を気にするよりも、今は自分の向上のことだけを考えていきたい」

 ガスリーは、自分に対する批判には不当なものもあると主張する一方で、それを気にするよりも、自分のパフォーマンスを向上させることが重要であると述べている。

2019年F1第9戦オーストリアGP ピエール・ガスリー(レッドブル・ホンダ)

「今、ネガティブな話題がはびこっているけれど、もっともな話もあれば、そうでない話もある」とガスリーはオーストリアの決勝を迎える前に語った。

「でも、こういうこともこの仕事の一部であり、うまく対応していくしかない。フェアだと思うかって? そう思えないことも時にはある。でも、結局のところ、僕にできるのは、自分自身に気持ちを集中させて、向上するために何ができるのかを探ることだけだ」

「このマシンで走る上で、もっとうまくやれる部分があるのは間違いない。今は、自分にとって理想的な形で走っているとはいえないし、もっと速く走るために変えられることはある。今はそのことだけを考えようとしている」

「そういう方向に進むためにチームはサポートしてくれている。自分の結果には満足しているか? もちろん満足していない。もっとマシンからパフォーマンスを引き出したいと思っているか? そう思っている。そのために全力を尽くしているか? もちろんだよ」

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