ラグビー高校日本代表監督に就任 長崎北陽台高・品川教諭「責任、覚悟 果たす」

「覚悟を決めて高校日本代表監督を務めたい」と語る品川教諭=西彼長与町、長崎北陽台高

 本年度のラグビー高校日本代表監督に、長崎北陽台高で指揮を執る品川英貴教諭が就任した。年末年始の全国高校大会(花園)で公立校唯一の8強入りを果たすなど、その高い手腕を評価されて大役を任された。元トップリーガーがどんなチームをつくりあげるか。指導者として「日の丸」を率いる意気込みなどを聞いた。

▼監督就任の話を受けて。
 約10年前から日本協会のユースコーチ研修に呼ばれるようになり、昨年はU-17日本代表のスタッフを務めた。そのころから本格的に打診を受けていて、いい機会かなとも思った。でも、一番は学校業務。学校に迷惑を掛けたくなくて、悩んでいることを管理職に相談したら「やりたいと言ってやれるポストじゃない。協力するから」と背中を押してもらった。

▼代表活動でチームを離れることも多くなるのでは。
 指導者は自分と恩師で元監督の浦敏明コーチだけ。元々スタッフは少ないけれど、生徒たちを信頼している。自分たちで考えてやれるチームになっている。自分も一番高いレベルで勉強して成長していけるし、それをいち早くチームに還元できる。互いにとってプラスになると捉えている。

▼この高校日本代表のゴールは。
 来年3月の海外遠征で試合をするウェールズに勝つこと。昨季もウェールズ遠征だったが、2点差で負けている。だから、いい試合をするのではなく、求めるのは結果。そこだけはぶれずにやっていく。

▼チームづくりのコンセプトを。
 テーマは「ALWAYS CHALLENGING」。目標達成のために、どんなことにも挑戦して成長し続ける。技術面で打ち出したのは低さと速さ。日本が世界に勝つために必要な要素であり、それは北陽台と全国の強豪との関係に置き換えても同じこと。

▼6月21~23日に行われた1回目の高校日本代表候補合宿について。
 1次候補71人中、同時期にあった全九州大会の出場選手や故障者らを除く44人が参加。今回は世界と戦うという「基準」を埋め込んだ。190センチ100キロの体が普通の海外勢に対して、必要とされる当たりの強さ、スクラムの低さを認識させ、スピードやブレークダウン、ハンドリングを磨く練習などをした。自分としても、各スタッフの細かい指導法をはじめ、いろんなことを吸収できた。

▼課題と抱負を。
 「日本代表」のプレッシャーはある。自分が選手時代に経験のない「日の丸を背負う責任」を選手たちに説かないといけないのは難しいところ。手探り状態でのスタートではあるが、前任の先輩方や経験のあるスタッフの力を借りながら、覚悟を決めて務めたい。

 【略歴】しながわ・ひでたか 長崎北陽台高と日体大で主将を務め、1998年に東芝府中(現東芝)へ入社した。2004年の日本選手権優勝に貢献するなど、主にSO、CTBとして8年間プレー。06年に長崎県で高校の保健体育教諭となった。09年に母校へ赴任。「ジャパンラグビーコーチングアワード2018」でコーチ賞の変革賞を受賞した。西彼長与町出身。44歳。

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