なじみない楽器にも親しんで 城山中でバイオリンの授業 短時間で上達も

バイオリンの練習をする生徒たち =小田原市立城山中

 普段はなじみのない楽器にも取り組んでもらいたいと、小田原市立城山中(同市城山3丁目)ではバイオリンの授業を行っている。弓の張り方や楽器の持ち方から入った生徒の多くは、短時間で簡単な曲を弾けるまでに上達した。

 バイオリンの授業は昨年度から行われている。2年前に音楽科の横山藍乃教諭(28)が授業でビバルディ「四季」を取り上げた際に自分のバイオリンを見せたところ、生徒の反応が大きく、5分で音が出せる生徒もいたことなどから取り入れることにした。

 バイオリンは和琴をレンタルしている業者から約20台取り寄せ、幼少期からバイオリンを習っていた横山教諭が指導。年間3回の集中授業ながら多くの生徒がベートーベンの第9交響曲「喜びの歌」や、弾きやすいようにアレンジした葉加瀬太郎さんの「情熱大陸」などが弾けるまでになったという。

 13日に行われた今年3回目という3年生の授業では、主旋律で弾いていた「きらきら星」の低音パートの楽譜を初めて渡され、生徒たちは2人で1台を交互に使って練習し、最後には合奏を披露した。椎野賢人さん(15)は「音をしっかりと、かすれないように出すのが難しいが、きれいに出せるとうれしい」と振り返った。

 横山教諭は「リコーダーが苦手で楽器そのものが嫌いになってしまう生徒がいる。難しそうでも弾ける楽器があることを知って、何事にも挑戦してもらえたら」と話していた。

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