3日、天皇杯2回戦が行われ、各地でJリーグチームが負けるという波乱が起きた。その中でもJ1の湘南ベルマーレはヴィアティン三重相手に0-4と完敗を喫した。うち3得点をあげたのは三重のFW坂井将吾である。22分に得点を決めたのを皮切りに50分、58分と立て続けに得点を決め後半早々にハットトリックを達成した。
モンテディオ山形でプロの道へ進むも…。
坂井は1988年生まれの31歳、背番号6をつけるがフォワードである。彼の名前を聞いて思い出すファンもいるかもしれない。
2006年に四日市中央工業高校からモンテディオ山形入り。高卒ルーキーながら1年目にデビューを飾るも2009年を持って退団、その後は現役を引退していた。
J2通算23試合2得点、J1通算1試合0得点の記録を残している。
2010年から大宮アルディージャの普及部スクールコーチに就任し2年間務めた後、2012年にブラウブリッツ秋田U-15 アシスタントコーチ兼スクールコーチと指導者として経験を積んだ。
だが、彼は再びピッチに帰ってきた。2013年に当時三重県2部だったヴィアティンFC(現:ヴィアティン三重)に加入し生まれ故郷三重で現役に復帰したのだった。
当時、ヴィアティンはJ3発足へ向けて元Jリーガーを積極的に補強しており、加藤秀典、水原大樹らを獲得していた。
本人は今回の湘南戦後のインタビューで「一度プロをやめて、ヴィアティンに加入する前に3年くらい社会人を経験し、いまは開き直ってラクにプレーできるようになったと思います。」とコメントしている。
指導者兼選手
坂井加入後、ヴィアティン三重はJリーグへの階段を順調に上っている。2013シーズンの三重県2部から毎年昇格を続け、現在はJFLでプレーする。目標とするJリーグまではあと1つというところに来ている。
坂井はFW登録であるが純粋なストライカーとしてだけでなくサイドやシャドーストライカー的な役割もできる万能なアタッカーとしてチームを支えている。
ドリブルやシュートを得意としている選手で、かねてからスペースを見つけて飛び出す力や嗅覚を評価されていた。
湘南戦前のクラブ公式チャンネルでは「疾橙のゴールハンター」と紹介されるなど決定力は高いと言われてきたが、2017年は無得点、2018年は3得点と余り得点をとれていない。
それが今季のJFLでは第5節に初出場を飾るとこれまで4ゴールとすでに昨年を上回るペースで得点を重ねている。30歳を超えて今が一番充実した時を過ごしているのかもしれない。
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なお、現在も指導者兼選手という立場であり、スクールコーチも務めている。
トリビアとしてオフィシャルサイトではなぜか毎年好きな選手欄にプロゴルファーをあげるのが特徴で、今季は松山英樹、以前はベアトリス・リカリであった。
三重は3回戦(日程未定)で高知ユナイテッドを激闘の末に下したV・ファーレン長崎と激突する予定だ。三重の健闘を祈りたい。