【かながわ参院選2019】党首級県内に続々 与野党論戦早くも火花

参院選が公示され、初日から県内に駆け付け応援演説に立った(右から)自民党の河野太郎外相、公明党の石田祝稔政調会長、立憲民主党の枝野幸男代表、国民民主党の玉木雄一郎代表、共産党の小池晃書記局長、社民党の福島瑞穂副党首

 参院選は4日公示され、令和初の国政選挙が幕を開けた。770万近い有権者を抱える全国屈指の大票田、神奈川選挙区。憲法改正や消費増税の是非、老後の年金への不安…。号砲が鳴ると同時に与野党の党首クラスが続々と県内入りし、梅雨空の下で火花を散らした。

 「日本が世界でリーダーシップを発揮できるのは、安倍内閣の極めて安定した政治基盤があるからだ」

 横浜市内でマイクを握った河野太郎外相(衆院15区)は、20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)の成果を引き合いに安倍政権の外交実績をアピール。日ロ交渉やイラン情勢などを並べ、「世界できっちり結果を出す日本の外交は、これからが勝負」と政権継続への支持を呼び掛けた。

 桜木町駅前の第一声に駆け付けた公明党の石田祝稔政調会長は、「年金制度をいたずらに政争の具にしてはいけない」と指摘。老後資金2千万円問題に焦点を当てて追及を強める野党側をけん制した。幼児教育・保育の無償化など自公連立政権の実績も強調し、与党への支持を訴えた。

 「この6年半で暮らしは良くなったでしょうか」。ビールケースの上で安倍政権に対する批判を強めたのは、横浜入りした立憲民主党の枝野幸男代表だ。

 格差や貧困の拡大に直面しているとし、保育士や介護職の処遇改善に取り組む姿勢を強調。「老後や子育ての安心を高める。所得を底上げすれば、国内でもモノが売れて経済が元気になる」とアベノミクスからの転換を訴えた。

 国民民主党の玉木雄一郎代表が立ったのは、横浜駅西口。「大切なことを隠し、ごまかしては、まともな政治は成り立たない」と森友・加計学園問題を引き合いに政権批判を展開し、「権力、税金の私物化が起きている。参院選は正直な政治を取り戻す戦いだ」と力を込めた。

 「このままでは崖から転がり落ちる。今度の増税はめちゃくちゃだ」。共産党の小池晃書記局長は横浜駅西口で、景気悪化が懸念されながら消費税10%への引き上げを堅持する姿勢を「ばかげた政策」と批判。「大企業を優遇し、国民に苦しみを押しつける安倍政権に審判を下そう」と訴えた。

 社民党の福島瑞穂副党首(参院比例)は藤沢駅前で「改ざん、虚偽答弁、うそが支配する安倍政治を終わらせる選挙だ」と指摘。憲法改正反対を前面に打ち出し、「憲法の理念の実現を目指し、国会の中で政党として頑張り続けたい。未来を切り開く新しい政治をつくっていこう」と呼び掛けた。

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