広瀬すず「また帰って来れる」と笑顔。「なつぞら」十勝で最終ロケ!

NHK連続テレビ小説「なつぞら」(月~土曜午前8:00ほか)のメイン舞台となる北海道・十勝での最終ロケが6月4日に行われた。帯広・真鍋庭園敷地内の畑で行われた取材会に出席したヒロインの広瀬すずは「多くの方に支えてもらいました。北海道の皆さんには感謝しかありません」、草刈正雄は「差し入れもたくさん頂き、この作品が愛されていると感じました」とこの1年間を振り返った。

同作品では、戦災孤児となった少女・奥原なつ(広瀬)が北海道・十勝に移り住み、広大な自然と開拓者精神あふれる大人たちに囲まれてたくましく成長。その後、北海道で育んだ想像力と根性を生かして上京し、当時「漫画映画」と称された草創期の日本アニメーションの世界でアニメーターとして活躍する姿を描いている。連続テレビ小説100作目の節目となる作品で、脚本は大河ドラマ「風林火山」などを手掛けた大森寿美男氏が担当。十勝ロケは昨年6月、今年1・4月に続く4回目。今回は5日間にわたって新得町、陸別町、清水町、帯広市で行われ、ロケ日数は延べ34日間となる。

この日は最終週となる第26週(9月23~28日)に放送予定の、なつと養祖父の柴田泰樹(草刈)が、嵐の後、山田天陽(吉沢亮)家の畑を訪れるシーンなどが撮影された。広瀬は「1年前もここに来たので、もう1年経ったんだな…と時の流れを感じます」と感慨深げな様子。「久々に北海道編のキャストの皆さんと北海道に来られてうれしかった。“実家”に帰って来た感覚が自然と湧き、『ただいま』という気持ちになりました」と北海道ロケへの熱い思いを明かした。「十勝ロケは最後ですが、季節ごとに来ているので実感が湧かず、また来そうな感じがします(笑)。巡り合わせもあると思いますが、きっと帰って来れると思います」と笑顔で語った。

一方、草刈は「1年掛けて撮るドラマは久々なんですが、役者として経験豊かになり、ドラマの醍醐味(だいごみ)を感じます。共演者とも本当の家族のような密な関係を築け、今も絶好調で終盤の撮影を楽しんでいます」と手応えを説明。ロケ地・北海道について「北海道のロケーションは一番好き。移動に3時間くらい掛かる場所もありますが、その間の景色を見るのも楽しい。どのロケ現場でもチーズなどさまざまな差し入れを必ず頂き、感動しました。今日でロケが終わるのが寂しい」と話した。

広瀬は「いつ来ても、食べ物がおいしくて人は優しい。どこの店に入っても『見てます』と声を掛けてもらいます」と北海道での日々を振り返り、「今日は地元の小学生から差し入れも頂き、あらためて朝ドラが幅広い世代に愛されていることを実感。エネルギーをもらいました!」と喜びを爆発させた。

撮影は約8割が終了し、8月にクランクアップを迎える。ラストスパートに向け、広瀬は「テレビの放送を見ると、過去に戻ったようで不思議な感じがしますが、最後の台本まで頂き、濃厚ななつの人生を歩んでいます。必死でなつと思いを共有していますが、高校生役の頃や東京に出て来たばかりの頃とは明らかに気持ちは違います」と意気込み、「人に支えられて生きているというのが、この作品の最も魅力的なところ。私もキャストやスタッフ、北海道の皆さんから力を借りています」と感謝の思いを口にした。

放送は9月28日までで、オンエアはちょうど折り返し地点。制作統括の磯智明氏は「ヒロインのなつは20代になり、仕事では下積み生活から自立する立場に。また、恋愛・結婚と女性としての成長も積み重ねていきます。アニメーションの世界も、北海道の開拓の歴史も次のステージに入り、北海道と東京の物語が徐々に絡み合いながら山場を迎えます。『こう進むのか!』という驚き、見応えがあるストーリー展開と、女性の生きざまを凛として見事に演じ切っている広瀬さんの新しい演技を楽しんでほしい」と見どころをアピールした。

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