差別根絶条例「自信持って提案」 川崎市長

福田紀彦川崎市長(資料写真)

◆「確信犯的にヘイトスピーチを繰り返す者が対象」

 川崎市の福田紀彦市長は5日の定例会見で、市議会に示した差別根絶条例の素案について、「全会一致での成立を目指し、しっかり説明していきたい」と決意を述べた。ヘイトスピーチを繰り返す者に刑事罰を科す全国初の条例素案の公表後、「市長への手紙」などが多数届き、「大変に反響は大きい」という。

 福田市長は「自信を持って素案を作成し、市議会に提示した。表現の自由にも十分に配慮し、司法の判断を仰ぐプロセスも含んでいる。確信犯的にヘイトスピーチを繰り返す者が対象で、慎重に慎重を期している」と自信を見せた。

 ヘイトスピーチはこれまで、主に川崎駅周辺で行われてきた。状況を直接見聞きする機会の少ない市北部の住民には、「同じ市内で人権を侵害するような行為が続いていることを知ってほしい」と力を込めた。

 また、相模原市も罰則付きの条例を検討していることには、「歓迎すべき話。連携は大事だ」と話した。

 素案に対する市民意見は、8日から8月9日まで募集する。

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