島村、牧山、佐々木氏先行 4割弱が態度未定

 改選4議席に14人が立候補している参院選神奈川選挙区の序盤情勢について、神奈川新聞社は共同通信の世論調査に取材を加味して総合的に分析した。自民党・島村大氏が先行し、立憲民主党・牧山弘恵氏、公明党・佐々木さやか氏も堅調。4議席目を巡り、日本維新の会・松沢成文氏、共産党・浅賀由香氏、国民民主党・乃木涼介氏が混戦模様だ。ただ4割弱が投票先を未定としており、21日の投開票日に向けて情勢は変わる可能性がある。

 自民が単独擁立した現職の島村氏は、同党支持層の5割を固め、無党派層も1割弱が支持。3割の支持を得た30代をはじめ40代以上の各年代にも浸透している。陣営は所属議員と団体を軸に手堅い組織戦を展開しているが、緩みを警戒して引き締めを図る。

 立民現職の牧山氏は同党支持層の5割台半ばをまとめ、無党派層からの支持は他候補を上回る2割弱を集める。連合神奈川の支援と党への追い風を受け、浮動票のさらなる上積みを目指す。

 公明現職の佐々木氏は、同党支持層の7割強を固め、推薦を受ける自民の支持層からも1割強を集める。支持母体・創価学会の支援に加え、保守票の取り込みが鍵を握る。

 維新現職の松沢氏は同党支持層の6割を押さえた。ただ「与党でも野党でもない第三極」を掲げて期待する無党派層の支持は広がりを欠き、前知事としての知名度も生かしきれていない状況だ。

 共産新人の浅賀氏は、同党支持層の8割をまとめた。「市民と野党の共闘」を旗印に無党派層への浸透を図るが、現時点で広がりはみられない。

 国民新人の乃木氏は若者の支持を最も多く集めるが、同党支持層への広がりは3割に届かない。俳優の知名度をどう生かすかも焦点だ。

 社民党新人の相原倫子氏は、厳しい戦いを強いられている。立候補表明の遅れが響いたとみられる。

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