末期がん患者とのふれあい 看護師の体験など「出前授業」 中学生に

最近うれしかったこと、楽しかったことを向き合って話す生徒=松浦市立今福中

 長崎県松浦市今福町の市立今福中(中野一史(かずふみ)校長、47人)で「みんなで話そう-看護の出前授業」があり、長崎労災病院の緩和ケア認定看護師の前川妃史(ひふみ)さん(45)が末期がんの患者とのふれあいを通じて「いのち」と向き合う大切さを話した。

 出前授業は県看護協会(西村伊知恵会長)の「看護の日・看護週間」(5月)事業の一環として、3日に開いた。地域の看護職(看護師、助産師、保健師など)を県内の学校に派遣し、医療現場での実体験やエピソードなどを交え、「いのち」の大切さを伝えている。

 前川さんは授業で、末期がんの女性が娘さんとの約束だった家族旅行を生きがいに苦しい治療に耐え、医療スタッフも細心のケアで旅行を実現させた実話を紹介。

 前川さんは生徒たちに一人が話す側、もう一人が聞く側となり、向かい合って話す体験をさせ、「皆さんが生まれてきたこと、出会ったこと自体が奇跡。そのことに感謝し、家族や仲間と向き合って、話し合いながら今を大切に生きてください」と話した。

 看護師志望の同校1年、松尾雄哉(かつや)さん(12)は「授業で聞いたことを将来に役立てたい」と話した。

© 株式会社長崎新聞社