【MLB】前田健太、“3キロ”の球速差で掴んだ自信「意識的に遅くしたというか…」

ドジャース・前田健太【写真:Getty Images】

130キロ台後半のスライダーを130キロ台前半に抑えた「いい時のスライダーは遅くて大きいスライダー」

 ドジャースの前田健太投手は6日(日本時間7日)、本拠地のパドレス戦で先発。前半戦最終登板は8回途中まで4安打3失点と好投したが、打線の援護に恵まれなかった。6試合ぶり8勝目はお預け。5敗目を喫した。試合後には前半戦を総括。後半戦へ向けた手応えなどを口にした。

 前半戦は17試合登板し、7勝5敗、防御率3.76。地区首位を走るチームの先発ローテとして上々の数字を残しているが、後半戦への手応えもきっちりつかんでいる。5月下旬から85、86マイル(約136.7~138.4キロ)を計時したスライダーの球速を81~83マイル程度(約130.3~133.6キロ)まで落とし、横に曲がる変化量を大きくしているという。

「5月終わりくらいからスライダーを意識的に遅くしたというか。本当の僕のスライダーはこれぐらいなので、ちょっと速くなりすぎていたというか。悪いスライダーは85、86マイルぐらい。僕の中ではあまり良くないと気づいて。日本の時もそうですけど、いい時のスライダーは遅くて大きいスライダーだったので、意識的にスピードを落として。今は落としているのがいいものにつながっているかなと。リリーフをやってスライダーが速くなったので。ちょっと意識的に遅くというか、元に戻したというか。本来のスライダーでなかったことに気づきました」

 チェンジアップは「どのカウントでも自分が不利なカウントでも投げることが出来ています」と自信を持つ。この2つの勝負球が自信へつながっている。

「自分の投げる球が安定してきたというのもありますし、左打者にはチェンジアップ、右打者にはスライダーと自分の中で自信のあるボールがある。あとは打者の打てない球種。カーブ、スライダー、チェンジアップの全部を打てる打者はなかなかいないと思うので。その中のチョイスというのが自分の中にあって、打てないボールを選択して投げることが出来ている。その分しっかり抑えられているのかなと思います」

貫くブレない姿勢「いい投球をすることに集中した方がいい」

 ここ6試合は勝ち星こそ恵まれていないが、「内容自体は良くなってきている」という。前田がブレることはない。

「もちろん勝ちがつくのがベストなんですけど、たくさん取られて負けが続くよりも、しっかり内容を自分の中で納得させながら……。勝ちがつかない時は必ず1年間であると思うので、これで自分が崩れていかないように。しっかりとゲームを作ることを意識すれば、勝ちはついてくると思う。いい投球をすることに集中した方がいいのかなと」

「スライダーの変化とか、自分の弱点というか、いろいろと気づきながら、ここ最近はしっかり投げられるようになってきている。前半は大量失点する試合もありましたけど、ここに来て、ある程度、自分の中でこういう感じで投げられば大丈夫という感覚が出てきた。そこはちょっと大きいかなと。プラス材料ですね」

 チームはここまで地区2位のダイヤモンドバックスに14.5ゲーム差を付けて地区首位を独走中。悲願のワールドシリーズ制覇へ、前田は着実に歩みを進めていく。(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)

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