"「ブス」は個人に属する悩みではない、社会のゆがみだ" 山崎ナオコーラ最新エッセイ『ブスの自信の持ち方』が遂に書籍化!!

株式会社誠文堂新光社は、 2019年7月10日(水)に、 『ブスの自信の持ち方』を刊行する。性別とは? 差別とは? 社会とは? よみもの.comでの好評連載がついに書籍化決定。

あとがきより

社会を変えたいと思う。

私はこれまで、 他のテーマで書いたエッセイの中に、

「ブス」 という単語をちらりと紛れ込ませたことが何回かあった。

すると、 大きな反響があった。 多くの人が「ブス」という言葉に関心を持っているようだ。

ただ、 その反響の多くが、 「頑張ってください」というものだった。

つまり、 「『 “ブス〞 という単語が出てくる文章』= 『劣等感の放出』 」と捉えられてしまうのだ。

慰めたり応援したりするのが読者の務め 、 と思わせてしまう。

「社会は変えられない。 だから、 『ブス』に関する文章っていうのは、 個人の苦しみを吐露するだけのものだ。 その言葉を聞いたり読んだりしたら、 個人を応援し、 個人の気持ちを緩和させてあげなくてはならない」と多くの人が考えてしまう。

違う 、 と私は言いたい。 「ブス」は個人に属する悩みではない、 社会のゆがみ だ。 社会は変えられる。

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