【MLB】大谷、前半戦最後の10戦で5本塁打 1か月遅れで“開幕”も松井秀喜超えの可能性

14号本塁打を放ったエンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

看板直撃の豪快弾、試合後に体調不良を訴えるも7試合連続安打で前半戦終了

■アストロズ 11-10 エンゼルス(日本時間8日・ヒューストン)

 エンゼルスの大谷翔平投手は7日(日本時間8日)、前半戦最終戦の敵地アストロズ戦に「3番・DH」で5試合連続スタメン出場し、3回の第2打席で一時勝ち越しの14号2ランを放った。その他の打席で快音は響かず、6打数1安打2打点。試合後は体調不良を訴えて取材対応を行わず、後半戦へ向けてやや不安を残したものの、前半戦最後の27試合は打率.372、8本塁打と好調のまま終えた。

 大谷は、エンゼルスが2点を追いついた直後の3回、1死三塁でルーキー右腕ウルキディの初球の91マイル(約146キロ)直球を完璧にとらえた。打球は左中間席の上にある看板に直撃。逆方向への打球速度106マイル(約170.7キロ)、飛距離397フィート(約121メートル)の豪快な勝ち越し2ランに敵地がどよめいた。

 その後は乱打戦となったものの、大谷にヒットはなし。同点の延長10回1死走者なしの場面では、右腕プレスリーの前に空振り三振に倒れた。試合後には、体調不良のため大谷が取材対応できないことを球団広報が発表。1日(同2日)に同僚タイラー・スカッグス投手が急死する悲劇があり、選手たちは悲しみを乗り越えて戦ってきた。大谷もスカッグス投手とは仲が良かっただけに、この1週間で蓄積された疲労の大きさは計り知れない。

 そんな中でも、大谷は好調を維持してきた。今季自己最長の7試合連続安打で前半戦をフィニッシュ。試合後のメディア向けの資料では、大谷が最近27試合で94打数35安打の打率.372、9二塁打、8本塁打、16打点をマークしていることが紹介された。最後の10試合で5本塁打と2試合に1本のペースでホームランを放った。

前半戦と同じペースなら後半戦17本塁打、松井秀喜氏が持つシーズン最多本塁打記録は31本

 また、今季は2番・トラウトの後に3番・大谷を固定しているが、この試合で2人のアベック弾は早くも今季7度目に。トラウトは球団記録の前半戦29本という圧巻のペースでホームランを量産している。トラウトの後ろに大谷が控える打線は、まさに相手にとっては脅威だ。

 5月7日(同8日)の敵地タイガース戦で復帰し、前半戦は53試合出場で打率.303、14本塁打、38打点、OPS(出塁率+長打率).924でフィニッシュした大谷。5月は安定しない時期もあったが、6月に入ってからは圧巻のパフォーマンスを見せた。今季就任したブラッド・オースマス監督からも「間違いなく現在球界で最高の打者の一人」と絶賛されたが、後半戦はどんな打撃を見せ、最終的にどんな成績を残すのか。

 復帰後、エンゼルスは57試合(大谷は4試合欠場)を消化し、大谷は14本塁打を放った。同じペースで後半戦の71試合もホームランを量産すれば、17本を打つ計算になる。開幕から1か月以上出遅れたにもかかわらず、松井秀喜氏が2004年にマークしたシーズン日本人最多記録の31本塁打に並ぶ。6月以降のペースならば、これを上回る。「打者・大谷」の進化が止まらない。(Full-Count編集部)

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