閉ざされたビルの一室、机上のモニターに視線をはわせた。派遣契約で働く宮崎市のプログラマー女性(54)のぼろぼろになった心は、行き場を失ったままだ。働き方が多様化する中、労働者保護の模範が示されるべき自治体発注のシステム開発の現場では非正規雇用の多重派遣がはびこり、違法行為やパワハラが放置された状態が続く。法の目も届かない闇に落ちた女性は、働くことへのトラウマ(心的外傷)から抜け出せないでいる。
公共事業で多重派遣 労働者の権利保護課題
- Published
- 2019/07/09 10:00 (JST)