MotoGPのパドックに配されるチームトラックとホスピタリティは、ヨーロッパラウンドならではのもの。ヨーロッパラウンドのパドックには、日本GPを含むフライアウェイラウンドとは、また違ったきらびやかさがある。今回は、第9戦ドイツGPのパドックの様子を現地直送でお伝えしよう。
ドイツGPが行われるザクセンリンクは、MotoGP開催サーキットのなかでも特にコンパクトなサーキット。サーキットの全長が3.7kmという短さもさることながら、パドックも広くはないのだそうだ。
こうした事情もあって、パドックはふたつに分かれており、ピットに直結しているのがパドック1。メインストレートを挟んでコースのアウト側に位置しているのがパドック2である。ピットに直結しているエリアはMotoGPクラスと、Moto2クラスやMoto3クラスの有力チームのチームトラックや、ミシュランなどのホスピタリティが並ぶ。
チームトラックがずらりと並んだパドック1の道幅は、広くはない。大型のトラックを停めることを考えれば、狭いくらいだ。よって、水曜日の搬入時には出入りの順番も配置によってきっちり決まっているし、配置が決まったらトラックの運転席部分は外されて別の場所に駐車される。ぴったりとそろっているこのトラックの先頭部分は、ズレの修正を指示する人がいるそうだ。トラックが整然と並ぶ感じはなんとも言えずに格好いい。
そして、ドイツGPから登場したのがFIM Enel MotoE World Cup(FIMエネルMotoEワールドカップ)のマシンだけが集結するパドック、Eパドック。18台のMotoEワンメイクマシン、エネルジカ・エゴ・コルセと、予備のマシン5台がこのピットに集結している。Eパドックに隣接するのは、MotoEのトークショーエリア。少し離れて充電エリアがある。
ちなみに2019年ドイツGPの観客動員数は、公式発表によれば3日間で約20万人。過去最高の観客動員数を記録した2018年MotoGP日本GPが約9万6000人ということで、約2倍の観客がザクセンリンクに集まったことになる。ヨーロッパは国が陸続きだからか、観客がドイツ人ばかりではなかった点も興味深い。
MotoGPドイツGPのパドックは、歩くだけでも世界最高峰の二輪ロードレースやヨーロッパの雰囲気を感じることができる場所だった。ヨーロッパでMotoGPを観戦する際は、レースはもちろんのこと、このパドックも一見の価値あり、だ。