田中将大、MLB球宴初登板へ…前日会見一問一答「新しい歴史の1ページに」

MLB球宴の前日会見に臨んだヤンキース・田中将大【写真:編集部】

ア・リーグの2番手で登板する予定も…「別にそんなに楽しみじゃ(笑)」

 ヤンキースの田中将大投手は8日(日本時間9日)、インディアンスの本拠地プログレッシブ・フィールド(クリーブランド)で9日(同10日)に行われるメジャーリーグのオールスター戦に向けて、前日会見に出席した。ア・リーグのアレックス・コーラ監督(レッドソックス)は、田中を先発のジャスティン・バーランダー投手(アストロズ)に次ぐ2番手で登板させる方針であると明言。日本人投手がオールスター戦のマウンドに上がれば、2014年の上原浩治投手(当時レッドソックス)、ダルビッシュ有投手(当時レンジャーズ)以来、5年ぶりとなる。

 両リーグのオールスター選出選手が一堂に会する前日会見。田中は約50分間、各国メディアの質問に答えた。そこで語ったこととは……。主な一問一答は以下の通り。

――メジャーのオールスターは2度目の選出で初出場。

「本当に驚きました。どうやって休みを過ごそうかと考えていましたし、その予定も考えていたので、一気にみんなでバタバタしていろいろ手配をしていただいて。全然落ち着かないですけれど、なかなかこういう場にも来られないですし。1年目に選んでいただきましたけれど、その時は怪我でそれどころじゃないというのが自分の中であったので、この場にも来なかったですけれど、そういう中で5年経って、実質初めてになりますけれど来られて嬉しいですね」

――今回の楽しみは?

「えー、別にそんなに楽しみじゃないです(笑)。みんな選手の凄さは知っているので。対戦しているので。なので、特別楽しみとかそういうのはないですね、正直。お祭りの雰囲気、こっちのオールスターを肌で感じられる部分ではもちろん楽しみですけれど、すぐに現実に戻ってこのスーパースターの方たちを斬っていかないといけないんで、ちょっとベンチから攻略法を考えておきます」

――チームメートとなる選手では話したい選手はいるか?

「いやー、一人ぼっちでいます(笑)はい。特に(笑)」

――ヤンキースの仲間から5人選出。何か言われたことは?

「全くそういう話はしていないです。ただ、周りにはどういうものが必要なのか、流れなのかは聞きながらここまで来たという感じですかね」

――試合当日のレッドカーペットは楽しみ?

「そうですね。テレビとかで映像は見たことがありますけど、実際に自分がそういうところに出るという実感はあんまり沸いていないですけれど、そこはすごく楽しみたいなと思っています」

――1年目にも選ばれたが、6年経って苦労しながら選ばれたことについては?

「選ばれ方が違うのでなんとも言えないですかね。1年目の時は選手間で選んでいただいて、年が経つにつれて、1年目にそうやって選んでもらったことがどれだけのことだったのか、ことの重大さ、大きさを後々年数が経って気づいていった。よう選ばれたなと思いますね」

「振り返ったときに『あ、田中投げてたんだ』ぐらいの空気の感じでいいです(笑)」

――どんなパフォーマンスを?

「どういう感じになるかわからないですけれど、その雰囲気をしっかり目に焼き付けて、自分のボールというか、いつも投げているボールを投げられればいいんじゃないかと思います」

――今シーズン苦労している中で選ばれた。

「確かに今年はものすごく苦しんでいる部分もありますし、でもやっていれば、こういう風にいいこともあるんだなとは思うので。やっていればいいこともあるというのはあるので、後半戦に向けてもいい弾みにしたいですし、バトルし続けますよ、自分の課題に対しては」
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――最初に選ばれた時からの変化、成長は?

「特に自分の中で大きかったのは、2017年シーズン。本当に苦しんで、苦しんで、徐々に良くなっていって、プレーオフでいいパフォーマンスを出せたという年は自分にとってもすごく印象的なシーズンでしたし、プレーオフでの勝利という味も知りましたし。そこの経験を経て昨シーズン、今シーズンと徐々に自分の中で安定させていけてる部分はありますし、色々柔軟に考えられるようになりました。そういう部分は大きいですかね。

 あとは具体的に自分のボールを自信を持って投げるというところには変わりはないですけど、14~16年あたりは自分の直感、感覚というものを優先に投げていたんですけど、17年からは自分でデータもしっかり見ながら、事前にプランを練って投球していくという風にしていって。相手が自分のことを見てやってきている分、自分も正確なものを見ながらやっていくべきかなと思ってやっていってる状態ですね」

――直近では、オールスターで2014年に上原投手とダルビッシュ投手が投げている。

「見たのは覚えてます」

――ダルビッシュ投手が大きなカーブを投げていた。

「僕投げられないので、できないです(笑)。僕あんな抜いたカーブは投げられないので(笑)」

――これをやってやろうみたいなものは?

「ないです。僕は、振り返ったときに『あ、田中投げてたんだ』ぐらいの空気の感じでいいです(笑)」

――改めて意気込みを。

「オールスターの地で投げられることだけでも……出た人がみんな投げられるわけじゃないので、本当にこれまで野球をやってきた中での新しい歴史の1ページに記されると思います」(Full-Count編集部)

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