理想のチームへどう行動? 「ボトムアップ理論」講演

宇野さん(写真右)と理想のチームについて紙に書き出す生徒=諫早高

 長崎県立諫早高(原田尚之校長、831人)でこのほど、部活動の在り方をテーマにした講演会があった。広島県立安芸南高サッカー部の畑喜美夫監督が提唱した「ボトムアップ理論」に基づき、生徒が主体となるチーム運営について、諫早高と同付属中の生徒や教諭らが考えた。
 同理論は、生徒が意見を出し合い、練習内容や出場選手を決めるなどしてチームの意思決定に反映させる。
 諫早高は本年度、部活動に原則として週2日以上の休養日を設けている。講演会は、より効率的で成果が上がる練習につなげようとサッカー部の後田康晴主将(17)と生徒会が企画。安芸南高サッカー部元主将で同理論の普及活動をしている宇野広大さん(19)=環太平洋大2年=を講師に招いた。
 宇野さんは「監督主導のトップダウン方式に比べ、選手が自ら行動しなければならないため、人間力が鍛えられる」と説明。生徒たちは、グループごとに「理想のチーム」について討議。「部室の整理整頓を上級生が行動で示す」「ミスの原因を皆で考え、共通理解を深める」などの意見を、模造紙に書き出した。
 後田さんは「試合に出られなくても、戦術分析などで貢献できればチームで存在価値を感じられるという説明が心に残った。各部で良いと思った部分を取り入れ、生かしてもらえれば」と話した。

© 株式会社長崎新聞社