東京湾で錨泊制限 3管が台風到来前にルール化

錨泊が制限された羽田空港周辺海域=東京都大田区沖

 第3管区海上保安本部(横浜)は今年の台風シーズンを控え、荒れた天候の際に羽田空港から2マイル(約3.7キロ)以内で船舶がいかりを下ろして1カ所にとどまる「錨泊(びょうはく)」について、港則法に基づき制限を始めた。

 昨年9月の台風21号で、強風でいかりが利かずに流される「走錨(そうびょう)」状態に陥ったタンカーが関西国際空港の連絡橋に衝突した事故を受け、東京湾でも走錨による事故を防ぐためルール化した。

 羽田沖での制限は2段階で、荒天時には全ての船舶に錨泊しないよう自粛を勧告。勧告に従わない船舶に対しては退去命令を出す。東京湾アクアライン(千葉県木更津市)や、海上に点在する原油や液化天然ガス(LNG)の受け入れ基地(シーバース)などの周辺海域でもそれぞれ事故防止策を決めた。3管交通部は「英語版のリーフレットなどを作成して、外国籍船にも幅広く周知していきたい」と話している。

 3管は東京湾海難防止協会(横浜市中区)と連携し、官民の有識者らが参加した走錨事故防止対策検討会を開催。6月25日に開かれた2回目の会合で中間報告をとりまとめた。

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