三菱 新型eKワゴン/日産 新型デイズ(ノンターボ) 実燃費レポート 目次
三菱 新型eKワゴン/日産 新型デイズ(ノンターボ) 実燃費レポート 結果まとめ
今回は三菱の軽ハイトワゴン、新型eKワゴン(ノンターボ)の燃費をテストする。
eKワゴンは2019年3月にフルモデルチェンジを実施。バリエーションとしてアクティブなSUV風デザインの「eKクロス」も新たに登場し話題を呼んでいるが、今回テストするのはベーシックなeKワゴンのほうだ。街乗りから郊外路、高速道路まで徹底検証し、実燃費を計測する。
起用グレード
今回実燃費レポート用に起用したのは、三菱 新型eKワゴンのGグレード(FF)。メーカーオプションのMI-PILOT(マイパイロット)などを加えた先進快適パッケージ装着車だ。660cc 直列3気筒 DOHC 12V、最高出力52ps(38kW)/6400rpm、最大トルク6.1kgf-m(60Nm)/3600rpmのノンターボエンジンが搭載され、CVTと組み合わされる。JC08モード燃費は29.4km/L、WLTCモード燃費は21.2km/Lだ。
三菱 eKワゴンは、2013年にデビューした先代モデルより日産との合弁会社NMKVで企画・開発を実施し、姉妹車の日産 デイズと共に三菱の水島工場(岡山県)にて生産されている。デイズには、エアロパーツなどでカスタマイズした「デイズ ハイウェイスター」をラインナップ。eKワゴンでも先代では同様に「eKカスタム」が用意されていたが、今回はガラッと路線を変えたeKクロスが新設定された。なおデイズ ハイウェイスターとeKクロスの全車には、マイルドハイブリッドシステムが搭載されている。そちらのテストも後日実施予定だ。
このように、1つのモデルをベースに巧妙な差別化を図るデイズとeKシリーズだが、ベーシックなeKワゴンとデイズの場合、外観上の差はごくわずか。主にフロントグリルのデザインが異なるのと、リアのエンブレム類が各メーカーのものになるくらいの違いしかない。ただしボディカラーはデイズが11色(グレードにより異なる)用意されるのに対し、eKワゴンは7色のみとなっている。ただし装備面では違いがあるのだが、その辺りについては高速道路編で記したい。
いずれにせよ、姉妹車ともエンジンなどの機構的には同等であることから、本記事では三菱 新型eKワゴン/日産 新型デイズ(ノンターボ)という記載で統一する。
燃費テスト概要
テストは2019年5月30日(木)から31日(金)にかけて実施。いつもの通り、ドライバー1名(体重約85kg)で行う。
都内は夜の9時頃にスタート。天気は曇り、外気温は23度(車載外気温計の表示による)。
まず高速道路のテストから実施した。首都高で都心を抜ける際、東京湾内を通過するレインボーブリッジで風速12メートル、川崎から木更津を結ぶ東京湾アクアラインでは風速6メートル(共に道路標識の表示を参照)と、風の強い日だった。渋滞はほぼなく、交通量もさほど多くなかったため、走行自体はスムーズに行えた。
いつもの通り圏央道の茂原長南ICで降りて、そこから郊外路のテスト。外気温は19度くらいまで落ちていた。夜10時をまわり、交通量はごく少な目だった。そのまま市街地コースの一部を走り、その日のテストはいったん終了。
翌朝7時前に再開し、引き続き都心を目指した。外気温は21度、天気は薄曇り。都心に向かうにつれ気温は上昇し、ゴールの都心に到着した9時台には26度まで上昇していた。
クルマのエアコンはいつも通り25度・オート設定としている。なお燃費は、車載燃費計の表示と距離計(トリップメーター)を基に計測している。旧型モデルとの比較についても注目して欲しい。
三菱 新型eKワゴン/日産 新型デイズ(ノンターボ) の実燃費は25.4km/L
三菱 新型eKワゴン/日産 新型デイズ(ノンターボ)の実燃費は25.4km/Lを記録した。WLTCモード燃費21.2km/Lに対し約120%と良好な実燃費となった。
他社の軽ハイトワゴンで比較してみると、スズキのワゴンR(ノンターボ・マイルドハイブリッドモデル)が24.3km/L、ダイハツのムーヴ(ノンターボ)23.6km/Lとなっており、これらより良好な数値をたたき出したことになる。ただし旧型デイズのテストは7月中旬、ムーヴのテストは9月初旬とそれぞれ暑い時期で、エアコンの稼働率が高い中で実施している点だけ考慮する必要はある。
旧型のeKワゴン(※テストしたのは姉妹車の日産 デイズ)はというと、過去記事をご覧頂いた通り、国土交通省に届け出る燃費の偽装が発覚するという一大スキャンダルがあった。テストは、その事実が発覚した後、2016年に実燃費テストを行っている。
テスト日の外気温差があったとはいえ、新旧モデルでの燃費差は明確だ。旧型は三菱の既存エンジンをベースに改良を加えたものだったのに対し、新型eKワゴン/デイズでは、日産が新規にいちから開発したエンジンを搭載しており、その実力差がそのまま数値に現れたようだ。
ここからは市街地編、郊外路編、高速道路編、各章で燃費や走りの質について詳細な評価を行っている。各モードでどのような乗り味になるのか、三菱 新型eKワゴンおよび日産 デイズ(ノンターボ)の購入を検討されている方は、次ページ以降の各項目を参考にして欲しい。