「悲劇防ぐ礎に」 遺族、待ちわびた3年 笹子トンネル事故地裁判決

 公共インフラの老朽化問題を顕在化させた中央自動車道笹子トンネル(山梨県)の天井板崩落事故。横浜地裁は会社側の過失を認め、賠償を命じた。原因を究明し、責任の所在を明らかにし、再発防止につなげる−。あの日から3年。癒えぬ悲しみをかみしめ、法廷でわが子の死と向き合い続けた遺族は、待ちわびた判決にようやくたどり着いた。「犠牲になった子どもたちの命は決して無駄ではなかった」 「適切な点検方法を採用すれば、不具合を発見でき、事故は防ぐことができた」 22日午後1時半すぎ。市村弘裁判長が判決理由で会社側の過失を認めると、原告席の遺族らは涙を流し、手を握り合って喜びを分かち合った。

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