スマトラから仲間入り 横須賀の特養に2人の研修生 介護福祉士目指し来日

 横須賀市西浦賀の特別養護老人ホーム「太陽の家」に、インドネシアから2人の介護士研修生が仲間に加わった。日本とインドネシアの経済連携協定(EPA)に基づく受け入れで、働きながら日本の介護福祉士の国家資格取得を目指す。

 2人はともにスマトラ島出身で、男性のロニ・シダウルックさん(23)と女性のルト・テゥマンゴルさん(22)。大学卒業後、EPA制度を利用して来日した。

 来日前後に計1年間の日本語研修を積み、漢字もきれいに書ける。これから3年以上の実務経験を経て介護に関わる必要な知識や能力を磨き、国家資格の取得を目指す。

 ロニさんは「日本の介護はインドネシアよりずっと進んでいる。いろんなことを勉強して吸収したい」と意識が高い。同国では老後の親の面倒は子どもが見るのが主流で、高齢者介護施設はまだ多くないという。ルトさんは「1人暮らしのお年寄りも増えている。日本で経験を積み、本国に戻って広めたい」と思い描く。

 18日には同ホームで、職員を交えた2人の歓迎会が開かれた。「(横須賀は)海があって、景色がきれい」。2人は新天地の生活にも期待を膨らませている。

 インドネシアからの看護師・介護福祉士候補生の受け入れは2008年7月発効のEPAに基づいて始まった。太陽の家ではEPAを活用して5年前から、今回の2人を含め12人の研修生を受け入れ、これまで4人が国家資格を取得している。石渡庸介理事長(71)は「インドネシアの人は明るく、非常に熱心。われわれにとっても良い刺激になっている」と話している。

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