教科書選定資料を修正 誤記載、主観表現多く、神奈川県教委陳謝

神奈川県庁

 県教育委員会は10日の7月定例会で、2020年度使用の小学校と義務教育学校・前期課程の教科用図書選定に向けた調査研究資料の決定後に誤記載や主観的な表現が多数あったとして陳謝し、修正した資料を提示した。県内の採択権者が教科用図書を選定するための基礎的資料として作成されるが、各市町村教委などには修正済みのものが送付され、影響はないという。

 資料はA4判150ページで、県教委子ども教育支援課が、発行者16社による13教科種目の図書について県教科用図書選定審議会の答申に基づいて作成した。

 6月定例会では、調査結果の概要などに主観的な表現が用いられていると委員が指摘。県教委は「多く取り上げ」を「随所に」に、「写真が多く使用」を「複数使用」に変更するなど、6カ所を修正し、決定された。

 定例会後に同課が再度見直したところ、80カ所の主観的な表現に加えて、38カ所の誤記載が判明。句読点が二つ付けられていたり、「未時間植物」(身近な植物)といった誤変換がされていたりしたほか、2次元コード掲載の有無が誤っているものもあった。

 同課は、5月初めに見本の図書が示されてから6月定例会までの期間で資料を作成したことを踏まえ、今後はチェック体制の強化とともに価値判断を伴う表現の基準を見直す方針を示した。

 委員からは、追加の修正が「多い」との苦言が呈された一方、ミスがあっても大きなものにつながらない手だての必要性に言及する意見も上がった。桐谷次郎教育長は「申し訳ない」とわびた上で、「6月定例会で指摘を受け、修正は間に合い、市町村教委などに影響は及ぼさなかった」と述べた。

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