違法駐車法放置、悪質滞納5億円 神奈川県警、差し押さえや公売も辞さず

 神奈川県警は11日、違法駐車車両の放置違反金を多重に滞納していた県内15法人に対し、事業所の捜索差し押さえなどを実施した結果、95件の違反について計約165万円を徴収したと発表した。個人1人についてもミニバイク1台を差し押さえてインターネットオークションにかけ、落札額を違反金の回収に充当した。

 県警駐車対策課によると、捜索や公売は5月から6月にかけて実施。法人、個人とも再三の督促にかかわらず納付に応じなかった。ある法人の督促は70回を超えたという。

 県内の未納違反金は2018年度末時点で、約5億7600万円(約4万3千件)に上る。同課によると、捜索を受けた法人の中には「警察が差し押さえまでするとは思わなかった」として、捜索時などに自主的に納付に応じたケースもあった。

 06年施行の改正道交法で、反則金を納めない運転者に代わり、車両の所有者に放置違反金の納付を命じる制度が新設された。同課は「逃げ得は許さない。悪質な滞納には強制徴収を辞さない態度で臨む」としている。

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