和歌山カレー事件林死刑囚長男が初の書籍を出版。考え続けてきた「生きる意味」そして「人としてのあり方」とは。

21年前の1998年7月25日に起こった「和歌山カレー事件」、 その犯人とされる林眞須美死刑囚の長男が沈黙を破り、 初の著書を刊行。 タイトルの「もう逃げない。 」に込められた強い想いから、 書籍内で、 初となる彼の成人後のポートレイトを公開している。

事件後から今に至るまでの彼の人生は、 いじめ、 暴力、 差別による筆舌に尽くしがたい苦労と辛酸を舐める日々の連続だった。 事件後の10月、 林眞須美・健治夫妻が自宅で逮捕されたが、 その日から林家の子どもたちの人生は一変、 入所した児童相談所では、 初日から陰湿かつ凄惨ないじめが始まり、 その後移った児童養護施設では、 子供たち、 職員までもが率先して、 彼らに暴力、 いやがらせなどを行った。 社会に出てからは、 不当な解雇や婚約破棄を経験、 結果彼は、 住む場所を探す、 仕事に就く、 そして好きな相手と結婚するといった、 「普通の生活」すらままならない日々が続いている。

しかし、 彼はそうした状況を冷静に受け止め、 今日も懸命に生きている。 本書の読みどころは、 逆境に見舞われた人生に対して、 「冷静に捉える視点を持ち、 強く生きる姿勢を失わない彼の姿そのもの」。 親が「犯罪者」であることで子供が差別や暴力の被害にあうという“理不尽”と向き合いながら、 長男は日々「生きる意味」、 そして、 「人としてのあり方」を考え続けてきた、 その経験と思いを余すことなく詰め込んだのが本書。 様々な理由により人生に生きづらさを感じている方に、 ぜひ読んでいただきたい一冊だ。

現在、 刊行に際してこちらのページで プロローグを公開中。

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