夏の高校野球神奈川大会は13日、いせはらサンシャイン・スタジアムで1回戦の伊勢原-霧が丘が行われ、伊勢原が逆転勝ちした。
最大3点差をひっくり返し逆転勝ちした伊勢原の中心にいたのは双子の3年生・渡辺兄弟だった。
2点を追う九回無死一塁。エースの兄・悠紀が放った一打が遊ゴロかと思われたその時-。執念の走りが敵失を誘う。2死二、三塁では弟・幸紀が「つなぐ思いだった」と粘った5球目に死球を受け満塁に。直後の決勝の三塁打につなげた。
兄弟の奮起を見つめた母・芳美さん(47)は「何も考えられないぐらい必死だった」と涙ぐむ。かつて日産車体で軟式野球をプレーした祖父・長倉良信さん(68)の影響で小学3年生で白球を追い始めた二人。中学時代はベンチを温めていたが、「二人で同じフィールドに立つ夢をかなえたかった」と伊勢原へ進んだ。
夢の勝利を地元の球場で味わい、悠紀は言った。「16強という大きな目標を二人で成し遂げたい」。兄弟のフィールド・オブ・ドリームスは続く。