<再ブレーク盤> MAX『パルテノン』 復活を感じさせるクオリティーの高さ

MAX『パルテノン』

 約4年ぶりとなるシングル。同じ事務所からは荻野目洋子、DA PUMPらが大復活を遂げており、次は彼女達が期待されていることが、作品のクオリティーの高さからうかがえる。

 表題曲は、ピンク・レディー『UFO』風のAメロが、いかにも都倉俊一らしいミディアム調のダンス・チューン。シャウトまじりのボーカルやパワフルなハーモニーが絶妙で、プライドの高い女性が、絶対に諦めない=恋の『パルテノン』を築く、という情景が目に浮かぶ。

 カップリングの『Dracula~ドラキュラ~』は、高速ユーロビートの日本語カバー。こちらは「透き通る真っ白な肌」や「笑うたびに見える八重歯」の男性との恋だが、これらのちょっと非現実的な状況もピンク・レディーを継承しているようだ。それでいて、現代風のアレンジでMAXが歌うと、唯一無二の輝きを放っているのが凄い。また、この2曲の作詞を、DA PUMP『U.S.A.』同様にshungo.が手掛けており、「宵のルーマニア」など言葉遊びの感覚も中毒になってしまう要因だろう。

 DVDには、キレキレに踊ったり、素の表情はあどけなかったり、そのギャップが面白い映像を収録。本作を聴けば、長年自分が継続している事について、ベテランならではの技を磨きたくなるはず。

(エイベックス・CD+DVD初回盤 1800円+税)=臼井孝

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