病害虫ガを確認 佐世保、島原、雲仙3市で 長崎で対策会議

防除策などを説明した対策会議=長崎市元船町、県大波止ビル

 病害虫のガ「ツマジロクサヨトウ」が長崎県内で初めて確認されたことを受け県は16日、長崎市内で対策会議を開いた。佐世保、島原、雲仙各市で見つかったと報告し今後、被害の拡大を防ぐために農地の観察を密にして早期発見、防除を呼び掛けた。
 県などによると、ツマジロクサヨトウは熱帯地域の南米が原産で、アフリカやアジアで急速にまん延している。気流に乗って中国などから飛来したとみられ、国内では今月、初めて発生が確認された。1回の産卵数は150~200個。飼料用トウモロコシやスイートコーンなどの作物に寄生し、幼虫が葉や実を食い荒らして被害が拡大する恐れがある。
 県内ではすべて飼料用トウモロコシの農地で発見されている。会議で県の担当者らは、防除策として農薬散布に加え、刈り取り後に田畑を耕して農地にいる幼虫やサナギを土中に埋めることが有効と説明した。
 農協や自治体の担当者ら約60人が出席した。農林水産省の古畑徹防疫対策室長も出席し、防除のための農薬購入費などを補助すると説明。「発生地域の拡大を防ぐためにも防除が重要」と述べ、地域に合ったやり方で対策を取るよう求めた。

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