農業生産法人が運営する千曲市と長野市の人気「総菜店」。野菜にこだわった安心・安全な総菜で子育て世代から厚い支持を得ている。
ショーケースに並んだ惣菜の数々。思わず目移りしそう。
こちらは長野市川中島町の惣菜店「ホリホック」。
(常連客)「おいしいです、すごい。野菜を中心に食べられるので」
(常連客)「助かります。働いているお母さん、女性にはありがたいお店です」
野菜をメインにした総菜で、多くの支持を集めている。その野菜は・・・
(リファーム・熊谷真輔さん)「すごく大きいたまねぎですね」
千曲市にある「リファーム」の農場。総菜店はこの農業生産法人の直営。だから、野菜が豊富。
(リファーム・熊谷真輔さん)「栄養豊富でいい土なので、ベビーリーフを栽培している畑です」
リファームは現在、33棟・4ヘクタールのハウスでベビーリーフなどを栽培・出荷している。こだわっているのは土作り。科学肥料を使わず米ぬかやおからを入れたキノコ栽培の培地を肥料にしている。
(リファーム・熊谷真輔さん)「塊がいくつかあるんですけど、微生物が多いとこういう土になる。微生物の働きで(土が良くなり)野菜本来の味、濃い味になって、それがおいしさにつながっている」
こちらは、マッシュルームの栽培室。キノコ類も培養する土作りからこだわっている。当初は、自慢の野菜やキノコを直売所で販売するだけだったが・・・
(リファーム・熊谷真輔さん)「作るだけではなくて、実際に自分たちで作った野菜をお客さんに食べさせるところまでやってみたいと」
3年前、農場の隣に惣菜店をオープン。去年1月、長野市川中島にも店を出した。
朝どれのタマネギなどを積んで川中島店へ。調理場では、スタッフがオープンに向けて惣菜作りをしていた。タマネギはみじん切りに。
(ホリホック・藤田典享店長)「(とって)すぐ来るので、みずみずしくて辛味の少ないタマネギなのでおいしくできる」
飴色になるまで炒め、カレーに入れる。マッシュルームは、県産のシメジ、シイタケと一緒にオーブンへ。加熱した後、にんにく、唐辛子、熱した油をかける。ワインビネガーなどと和えて「キノコのマリネ」に。
その他、みずみずしい北海道産のパプリカ。
新潟・津南町の雪むろニンジンなど農場でまかなえない野菜も国産の安全なものを集めて使っている。
さいの目に切った野菜とひき肉を炒めた鍋にカレー粉を入れてじっくり炒める・・・「ドライカレー」ができあがった。
(スタッフ・3児の母)「そんなに辛くない、お子さまでも食べられるくらいのカレー。(自宅でも作る?)作ります、子どもが喜びます」
女性スタッフ7人のうち4人は子育て中。その経験がメニューや味付けに生かされている。
(ホリホック・藤田典享店長)「毎日、お子さんが食べていただけるような味付けをコンセプトにしています。お子さんに食べさせたいなとイメージしながら選んでいただけると嬉しい」
ドライカレーを試食。
(記者リポート)「一口の中に、たくさんの野菜が詰まっていて、野菜の甘みと旨みがぎゅっと詰まっていておいしいです」
店に並ぶ惣菜は毎日20品以上。
11時のオープンと同時に早速、客が入ってきた。昼はランチ営業もしていて、選べる総菜のセットが好評。
(客)「すごく自然な感じでおいしい。夕食とか、買って帰ったら楽でいいな」
午後4時すぎ、その「夕食用に」と再び客が増え始める。
こちらの女性は、毎週水曜、決まって訪れるそうだ。
(客)「水曜日は(子どもの)習い事があって送り迎えが忙しいので」
この日は「おから」や「マスタード和え」など4品を購入。
(客)「長野県のものも使っているので、子どもにも安心して食べさせている」
こちらは3日に一度は訪れるという「常連さん」。
(常連客)「おいしいです、どれも。味付けもやさしい味付けですね」
購入したのは「翌日用」で弁当に入れるささみの揚げ物、朝食用のじゃがいものスープ。
(常連客)「朝、食欲がないとき、暑くなってきているので重宝してます、昨日も買いました」
5時過ぎ、2人の子どもを連れて来店したのは、近くに住む帯刀貴子さん。
(帯刀貴子さん)「遅くなっちゃった時は、おかずを買ってということが多い。煮込みハンバーグを買いました」
買ったのは、夕方限定の日替わりメニュー。キノコもたくさんのっている。
帯刀さんの食卓にお邪魔させてもらった。帯刀さんは共働きで、夫は単身赴任中。
小学生の愛子ちゃん(7)、3歳の健くんと3人の食卓。ハンバーグの購入で時間短縮を図ったが、味噌汁と卵焼き、店で買ったベビーリーフでサラダを作った。
(愛子ちゃん)「おいしい」
(健くん)「おいしかった」
(帯刀貴子さん)「家でもし、きょうみたいなハンバーグを作るとなったら、時間かかってしまうので特に平日は助かります」
店は、農業生産法人の強みを生かし、これからも働く親を応援したいと考えている。
(リファーム・熊谷真輔さん)「子どもたちが食べて安心なものだって確信をもって作れる。(共働きで)働く世代の方がもっと多くなっていくと思うので、助けになっていければと思います」