「予選の前にはうなぎを食べようかな!」初優勝を飾ったパロウのゲン担ぎ/スーパーフォーミュラ第4戦富士トピックス

 7月13日(土)、14日(日)に全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦富士スピードウェイが開催された。今大会はあいにくの雨模様となってしまったが、レースではルーキーのアレックス・パロウがポール・トゥ・ウインを飾り、TCS NAKAJIMA RACINGに9年ぶりの優勝をもたらした。

 もちろんレース以外にもピットウォークやグリッドウォーク、グランドスタンド裏でのドライバートークショーなど、様々なイベントが行われた。2万人以上のファンが訪れた第4戦の模様を写真で振り返る。

■グランドスタンド裏

 グランドスタンド裏では、過去のレース車両の展示や、イベントステージにおけるドライバートークショーなどが開催された。なかでも目を引いたのは、2005年のスーパーGTを制したZENT セルモ スープラ、2014年のWEC世界耐久選手権でタイトルを獲得したTOYOTA GAZOO RacingのTS040 HYBRID、そして2016年より導入されたTS050 HYBRIDだ。

2005年のスーパーGTでチャンピオンを獲得したZENT セルモ スープラ
2014年にWECでチャンピオンを獲得したTS040 HYBRID
WECに参戦したTS050 HYBRIDが展示

 イベントステージでは、土曜日に福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)と坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)というふたりのルーキードライバーがトークショーに登場。笑顔の絶えないトークでステージ前のファンを楽しませていた。

土曜日のSFドライバートークは福住仁嶺と坪井翔が登場

 日曜日には、ポールポジションを獲得したドライバーとしてパロウが登場。この日は朝から雨が降り続いていたが、午前中から多くのファンがステージ前に詰め掛けた。トークショーでは好きな日本食を尋ねられ、「うなぎ」と答えたパロウ。予選の前にも食べていたようで、「ポールポジションを獲得できたから、これからも予選前にはうなぎを食べようかな!」と続けた。今年は日本に住んでいることもあり、日本食や文化にも親しんでいるようだ。

トークショーに出演したアレックス・パロウ

■ピットウォーク

 ドライバーとの距離も近くなるため、サーキットを訪れるファンがもっとも楽しみにしているイベントのひとつがピットウォーク。日曜日はピットウォーク中に雨が降ってきてしまったものの、今回も大勢のファンがドライバーやレースクイーンとの交流を楽しみ、盛況に終わった。

ピットウォークの様子
JMS P.MU/CERUMO・INGINGの石浦宏明と坪井翔
牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)
ピットウォークに参加したくま吉
第4戦からチームに加入したオワードの名前を日本語で掲載
KONDO RACINGの山下健太と国本雄資
近藤みやび(TOM’S lady)

 スーパーフォーミュラ第4戦では、全日本F3、TCRジャパン、スーパーカート、N-ONE OWNER’S CUPなどが併催されており、ピットウォークでは各カテゴリーのドライバーに会うことができた。

 F3では第11戦にB-Max Racing with motopark F3のエナム・アーメドが繰り上げで全日本F3で初優勝を飾り、第12戦ではサッシャ・フェネストラズが優勝と、この週末はB-Max Racing with motopark F3が連勝を飾った。またTCRではサタデーシリーズで金丸ユウ(ホンダ・シビック・タイプR・TCR)が最後尾から16台抜きで優勝を飾り、サンデーシリーズでもポール・トゥ・ウインでも挙げるなど強さを見せた。

併催された全日本F3選手権に出場するカローラ中京 Kuo TOM’S F317の宮田莉朋と小高一斗
スーパーフォーミュラ第4戦ではスーパーカートも併催された
スーパーフォーミュラ第4戦ではTCRジャパンも併催された

 こちらは日曜日のピットウォーク。トヨタ くま吉は、決勝日のピットウォークではカッパを着て雨仕様で参加していた。ドライバーはファンとの写真やサインの対応で大忙しで、今大会がスーパーフォーミュラ初参戦となるパトリシオ・オワード(TEAM MUGEN)も日本のファンからたくさんサインを求められ交流を深めた。

雨仕様でピットウォークに参加したトヨタ くま吉
ピットウォークでサインをするアーテム・マルケロフと大嶋和也
福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
パトリシオ・オワード(TEAM MUGEN)
関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
山口美羽ちゃんの公式コスプレイヤー美環さん
富士スピードウェイ CRANES

 日曜日のグリッドウォークでは、サプライズでトークショーが行われた。参加したのは、ル・マン24時間レースを連覇し、2018/19年シーズンのWEC世界耐久選手権“スーパーシーズン”においてチャンピオンに輝いたTOYOTA GAZOO Racingの8号車の一員である中嶋一貴。そして今年のF1第9戦オーストリアGPで、2015年にホンダがF1に復帰して以来初めてとなる優勝を飾ったことを祝して、元F1ドライバーであり、TCS NAKAJIMA RACINGの監督を務める中嶋悟氏も出演した。

 中嶋監督はこのトークショーで、「今日のスーパーフォーミュラのレースで優勝して、表彰台に乗る時の予行演習だよ!」と話していたが、まさにその言葉通りの展開となり、パロウと共に表彰台に上がったのだった。

ル・マン連覇/WECチャンピオン&ホンダF1優勝トークショーに参加した中嶋悟監督&一貴
表彰台で行われたトークショーに参加した中嶋悟監督&一貴

■グリッドウォーク

 グリッドでは、各ドライバーらがエンジニアと話し合いを行ったり、あるいはセッティングを変えるなど、スタート直前まで慌ただしい雰囲気だった。なお今回はこのグリッドウォークで雨が強まったため、各車シートの上にカバーをかけて雨をしのいでいた。

平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
グリッドでテレビ放送のポールインタビューに答えるアレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)
グリッドでカバーをかけられた福住仁嶺のマシン

 週末を通して雨の予報だったが、グリッドウォーク直前までは雨があがり路面コンディションは回復しつつあった。しかしグリッドウォーク中に雨が降り出して、コンディションが変わったため、ドライバーとエンジニアは最終的なセッティングを入念に話し合っていた。

平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)

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