先日、ユヴェントスがPES(ウイニングイレブン)と独占的ライセンス契約を結んだことが話題になった。
サッカーゲーム界ではどのシリーズにどのチームのライセンスが渡るのかという点も非常に大きなトピックのひとつ。ユーザーとしては現実と同じチームを操作したいと思うものだ。
しかしながらやはり思ったようにライセンスというのは取れるものではなく…。『90min』は「ライセンスが取れなかったゲームが付けた最悪のクラブ名」を特集した。
イースト ドーセット シャー(ボーンマス)
ウイニングイレブン(PES)シリーズは、長年に渡って様々な不相応な批判を山のように受けてきたわけだが、時には自分たち自身を助けないこともしてきた。
ライセンスのない英国のクラブには所属する州の名前をつける習慣があるようなのだが、ボーンマスは「イースト ドーセット シャー」である。
今や本当の地域名のように聞こえるかもしれないが、イースト・ドーセットはイースト・ドーセットシャーではない。シャーをつけるのは「北海道県」と言っているようなものだ。
ダブリン(アストン・ヴィラ)
アイルランド共和国の首都である「ダブリン」は、PES2(ウイニングイレブン6)でアイルランド共和国のチームに与えられた名前だと思うだろう?それが違う。
何故かその名前が与えられたのはアストン・ヴィラだった。どうやら所属していたFWディオン・ダブリンにちなんで付けられたようだが、どうしてそんなことになったのか。アイルランド代表はスティーヴン・アイルランドがいたからアイルランドになったわけではない。
それがどれだけバカげたことなのかという点にはすぐに気づいたらしく、その後アストン・ヴィラは「ウェスト ミッドランドシャー ヴィレッジ」…もとい、「ウェスト ミッドランズ ヴィレッジ」となっている。
にいつユニコーン(Jリーグのどこか)
ウイニングイレブンシリーズだけではなく、ライセンスの問題はPCの巨大サッカーシミュレーションゲームのフットボール・マネージャーも直面していた。
2005年のバージョンでは日本代表とJリーグのライセンスを取得できなかったため、フットボール・マネージャーは日本のリーグを「Nリーグ」とし、所属しているクラブを完全にランダムにした。そこには「にいつユニコーン」「かたのブレイズ」などなかなか興味深いものがいくつかあった。
前者は新潟の新津市、後者は大阪の交野市だろうか。まさにJリーグ100年構想の早期実現である。
レコルトマイスター(バイエルン)
ウイニングイレブンシリーズはどうもバイエルンが難しい相手だということを知っていたようだ。通常は地名や地域名を入れようとするところ、かなりのおべんちゃらが入っていた。
PES3(ウイニングイレブン7)でバイエルンは「記録的な王者」と名付けられた。まるでボリビアリーグにあるクラブ「ザ・ストロンゲスト」のようである。
あまりその効果はなかったようで、バイエルンはその後もライセンス上難しい相手になり、取れたり取れなかったりを返している。オリヴァー・カーンに至っては一時期存在を仄めかすことすら許されなかった。
レイクディストリクト(ウェストハム)
あまり英国の地形に詳しくない人々のために説明しなければならない。イングランドの北西部は湖でいっぱいの地域だ。氷河時代の痕跡が色濃く残り、同国屈指のリゾート地になっている。美しい風景が見られる世界遺産で、各国から観光客が訪れる。
非常に良い場所であるが、ロンドンからその『レイクディストリクト(湖水地方)』までは車で4時間ほどかかるという事実を伝えなければならない。しかもウェストハムはロンドンの東部にあるクラブであり、全く関係がない。
おそらく、イギリスの観光協会あたりがライセンスを取ったのだろう。
アラゴン(マンチェスター・ユナイテッド)
スペインの北東部にあるアラゴン地方。かつては現在のイタリアにまで勢力を伸ばしたアラゴン王国がそこに栄え、その中心的な街はサラゴサであった。そう、だからレアル・サラゴサに付くならばわかるのだが。
少なくともPES2(ウイニングイレブン6)が発売されるまでは、マンチェスター・ユナイテッドとアラゴンに関連性は一切なかった。そしてその理由を誰も知らない。
やはりKonamiの中もそうだったようで、PES3(ウイニングイレブン7)ではトラッドブリックスという名前になった。まあオールド・トラッフォードが収録されていないのでブリック(煉瓦)はなかったわけだが。