国交省が都市鉄道の混雑率調査を公表 東京メトロ東西線など11路線が混雑率180%を越える

国交省は7月18日、2018年度の都市鉄道混雑率調査結果を公表した。

三大都市圏の平均混雑率に関しては、東京圏が163%、大阪圏が126%、名古屋圏が132%となった。東京圏は昨年度と変わらず、大阪・名古屋は1ポイント上昇したものの、全体としてはおおむね横ばいと言える。

ピーク時の混雑率が180%を越えている個別路線は11路線となり、ワースト1位は東京メトロ東西線の木場→門前仲町間、199%。以下、JR横須賀線の武蔵小杉→西大井間(197%)、JR総武線各駅停車の錦糸町→両国間(196%)、JR東海道線の川崎→品川間(191%)と続く。

JR横須賀線は昨年度から1ポイント上昇し順位が入れ替わる形になった。またJR東海道線は4ポイント、日暮里舎人ライナー(189%)は2ポイント上昇した。

大きく変わったところでは、南武線が184%と昨年度比5ポイント減を達成している。また、複々線化が完成して2017年度の混雑率が151%まで下がった小田急線は6ポイント増の157%となった。

JR横須賀線の混雑率は武蔵小杉駅周辺の発展によるものと考えられるが、今年2019年11月には相鉄・JR直通線が乗り入れるため、来年の数字もまた大きく変動するものと予想される。

混雑緩和のための施策は?

東京圏の混雑緩和については駅舎や車両の改良といったハード面だけでは心もとなく、運用面での混雑緩和に力を入れる鉄道事業者も多い。

たとえば、一部の鉄道事業者は東京都が取り組んでいる働き方改革にあわせて「時差Biz号」などを運行したり、通勤ラッシュ時に混雑率の低い電車に乗車することでポイントを付与するといった施策を展開している。

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また、国交省の公開している「東京圏における主要区間等の混雑の見える化」では、各社のピークサイド時の混雑率が可視化されているが、これを見れば日暮里舎人ライナーの赤土小学校前~西日暮里間や東横線の祐天寺~中目黒間などは通勤ラッシュ後よりラッシュ前の方が空いていることが分かる。

もちろん出勤時間の関係で乗車時間をずらすのは容易なことではないが、ある程度自由が利くのであれば、利用者側がこのような資料からより混雑率の低い時間帯を探ってみるのも快適通勤の一助となるかもしれない。

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