もし現代にブラック・ジャックがいたら...。思わぬ手塚キャラたちとも再会できる小説『ブラック・ジャック』!

「マンガの神様」としていまなお絶大な支持を集める手塚治虫氏。折しも生誕90周年を迎えている氏の数ある名作の中でも、ひときわ光り輝き、後の医療マンガはもちろん、実際の医療従事者にも大きな影響を与え続けている名作『ブラック・ジャック』が、同作品の熱烈なファンでもある瀬名秀明氏の筆により、小説として現代に蘇る。

ノベライズを手掛けたのは、 同作品の 熱烈なファン でもある 瀬名秀明 。 小説家としての 想像力 、 研究者としての 分析力 、 ファンとしての知識と情熱を駆使し、 「医療ロボット」「iPS細胞」「終末期医療」 などの 現代医療 を背景に ブラック・ジャックの活躍を描く。

「医療ロボット」「iPS細胞」「終末期医療」などの現代医療、さらにはそれを飛び越え近未来をも予感させるテーマで描かれる、ブラック・ジャックの活躍。そして、それぞれの事情を抱えた患者たち・医師たちと、無免許の天才外科医の邂逅が紡ぎ出すヒューマンドラマ。もちろんピノコやドクター・キリコといった作品キャラクターは言うに及ばず、思わぬ手塚キャラたちとも再会できる1冊。誰もが読みたかった、誰もがもう読めないと思っていた、懐かしく新しい『ブラック・ジャック』がここに。

目次

第1話 「B・J vs. AI」

医療ロボットの目覚ましい進歩が語られるようになった昨今、 遂に自律型AIを搭載した医療ロボットが開発された。 その開発チームの医師の口から飛び出した言葉は、 あたかもB・Jへの挑戦状だった。

第2話 「命の贈りもの」

夜のフライトに向かったB・Jを出迎えたその青年はこう言った。 「弟は、 いまも一四歳のままです」――iPS細胞が生み出した新たな可能性を信じて、 かつての忘れ物を取り戻すために旅立つB・J。 過去と現在と、 未来を繋ぐ物語。

第3話 「ピノコ手術する」

ある夏の日に受け取った手紙には、 忘れられない、 探し求めた名前が綴られていた。 手紙の送り主のいる中東の街を訪れたB・J。 しかしそのとき、 遠く離れた日本の、 嵐に閉ざされた診療所の中、 ピノコの目の前で、 小さな命の灯が消えかけていた!

第4話 「女将と少年」

B・Jの友人である医師の手塚は、 行きつけの呑み屋の女将を気にかけている。 女手ひとつで中学生の息子を育てる彼女が、 忙しさにかまけて自分の身体を顧みてくれないからだ。 ある日、 母を思い、 手塚を信頼するその息子から、 意外な提案を持ちかけられる。

第5話 「三人目の幸福」

探し求めた母の仇、 自身の身体と心に決して消えない傷を残した男の居所を掴んだB・Jは、 住所を頼りに横浜の街にいた。 しかしたどり着いた古ぼけたマンションのエントランスで、 B・Jは思わぬ人物と出会う。 ドクター・キリコ、 「死神の化身」と呼ばれる男、 その人だった。

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