「宿泊の質向上へネットワーク」新設 認証取得目指す

23施設が参加する宿泊施設グレードアップネットワークのキックオフ会=長崎市南山手町、ANAクラウンプラザホテル長崎グラバーヒル

 県内宿泊施設のサービスの品質向上を図ろうと、県観光連盟は17日、連盟内に「宿泊施設グレードアップネットワーク」を新設した。23施設が参加し、宿泊施設の品質認証制度「サクラクオリティ」の認証取得を目指す。
 宿泊施設の付加価値を高めることで観光客の満足度を向上させ、宿泊単価や宿泊者数の増加につなげることが目的。
 サクラクオリティは観光品質認証協会(東京)の認証制度。約300の調査項目があり、安全性や衛生管理体制などを5段階で評価する「フェーズI」と、サービスの丁寧さや顧客への配慮などに分類される約2千項目を4段階で評価する「フェーズII」がある。
 県観光連盟によると、2018年度末時点で認証を取得しているのは全国176施設。県内では佐世保市と北松小値賀町の9施設。ネットワークでは「フェーズI」を9~12月に受験し、全ての施設の取得を目指す。「フェーズII」は3年間で5施設の取得が目標。7月下旬以降に、制度の仕組みや審査項目などを説明する勉強会を開催する予定。
 ネットワークではこのほか▽県産食材にこだわった料理の提供などによる顧客のグルメ満足度向上▽人材確保▽従業員の接遇やマナーの改善によるおもてなし向上▽地域と連携した体験プログラムの整備による魅力向上-に取り組む。ネットワークの参加施設は年10施設以上の増加を目指す。
 キックオフ会が17日、長崎市内であり、約30人が出席。県文化観光国際部の中崎謙司部長はあいさつで「昨年の観光客延べ数は過去最高だったが、宿泊者数や観光消費額は思ったほど伸びていない。観光産業の活性化が本県の発展につながる」と呼び掛けた。

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