本番さながらに運営1万人規模 五輪自転車ロードレーステスト大会

市街地のコースを駆け抜ける選手=相模原市緑区相原2丁目付近

 2020年東京五輪の自転車ロードレースのテスト大会が21日、東京、神奈川、山梨、静岡の1都3県14市町村の公道を巡る総距離約189キロのルートで開かれた。本番とほぼ同じコースで大規模な交通規制が敷かれ、運営には沿道ボランティアや警察、消防などを含めて総勢1万人規模が動員された。県内コースの大半を占める相模原市内も多くの観客らで沸いた。

 イタリアやフランスなど9カ国・地域の代表を含む20チーム計95人が出場。正午に武蔵野の森公園(東京都府中市)をスタートし、トップが約5時間後に富士スピードウェイ(静岡県小山町)にゴールした。

 県内コースは五輪と同じ起伏が激しくカーブも多い約30キロで、選手は町田市内から県内に入り、相模原市緑区の橋本駅周辺の市街地を抜けて相模川へ。国道412号から同413号(道志みち)を走り、山梨県道志村に抜けた。

 橋本駅近くの同区相原2丁目付近には市のブースが設けられ、市民ら400人以上が観戦。応援用の旗や参加選手の国旗、飲み物が無料配布され、「頑張れ」といった声援が飛んだ。先頭が現れてから10分ほどで全選手が駆け抜けた。

 相模川に架かる小倉橋前で見守った横浜市港南区の会社員高橋幸隆さん(50)は、自転車で会場までやってきたという。「五輪のレースを見られるのは一生に一度のチャンス。本番も選手に大きな声を送り、大会を盛り上げたい」と興奮気味だった。

 また、相模原市が募集したボランティア「コースサポーター」約700人も、大会をサポート。コース脇にコーンを設置するなどした相模原市南区の渡辺直子さん(41)は「地域の人と来場者が一緒にコースを守っている気がした。本番でもボランティアに応募したい」と語った。

 一方、開催日が参院選の投票日にあたり、投票所周辺でも交通が規制された。同市緑区選挙管理委員会は規制時間帯を避けて投票するよう周知するなど対応していたが、投票を巡って混乱はなかったという。

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