【高校野球神奈川大会】絶好調、県相・温品が殊勲打 勢いづく公立の雄

延長11回、県相模原の温品がサヨナラ打を放つ。しゃがみ込むのは横浜商の篠崎=サーティーフォー保土ケ谷

県相模原4-3横浜商

 我慢比べのような3時間28分。延長十一回の戦いを終わらせたのは、県相模原だった。

 1死満塁で左打席に立ったのは、今夏4アーチの3番温品。絶好調を裏付けるように初球を迷いなく中前へ運び、「ホームランもいいけれど、一番興奮した打席だった」と頬を紅潮させた。

 序盤から両校ベンチが継投策に出る慌ただしいゲームを、エース右腕の天池が落ち着かせた。6回0/3を7失点と打ち込まれた21日の4回戦に続く連投も「直球が切れていたし、疲れは気持ちで乗り越えた」。粘投で勝ち越しを許さず、九回まで5安打止まりだった打線の奮起を促した。

 記念大会だった昨夏に続く8強入り。1年前の準々決勝では九回途中まで東海大相模をリードする激闘を演じた。「(横浜、東海、桐光学園、慶応の)四天王を倒すためにやってきた。打つしかないでしょ」と佐相真澄監督(60)も奮い立つ。今大会一番のラッキーボーイがいる。自信を取り戻した主戦もいる。4連覇を狙う横浜との大勝負へ「公立の雄」が一気に勢いづいた。

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