日産、追浜工場に100億円投資 納整センターなど新設

日産追浜工場

 日産自動車(横浜市西区)が追浜工場(横須賀市)に約100億円を投じ、新車納入前の整備を行う「納整センター」や、約7千台を収容する車両保管場を新設することが22日、分かった。注文から納車までの時間の短縮化や、輸送効率を高める狙い。近く発表する。

 追浜工場の敷地内で最も海側にある「第4地区」に、総面積約2万2千平方メートルの納整センターと、同1万5千平方メートルの大規模機械式車両保管場を建設する。

 新しい納整センターの整備能力は1日当たり500台。座間市内と追浜工場内にある県内の同センターを統合し、効率化するとともに、能力を増強する。日産の納整センターでは国内最大規模となる。

 投資額は100億円を超える見通し。今秋着工し、2021年5月の稼働を目指す。集約後の座間や追浜のセンター跡地の活用は今後検討する。

 納整センターでは、日産の各工場で作られた車を受け入れ、ディーラーオプションのカーナビや自動料金収受システム(ETC)機器などを取り付けたり、購入者が選んだ内外装品を装着したりする。

 日産は全国10カ所に納整センターを設け、全国各地の販売店へ納車している。県内の2カ所はいずれも老朽化し、再整備が必要となっていた。追浜工場は港湾施設と隣接していることから、納整後の輸出や、国内工場からの受け入れなどにも適していると判断した。

 日産は近年、日産自動車九州(福岡県苅田町)の生産台数を増強してきた。県内や関東圏の販売店に納める車両は、九州からいったん追浜工場の港へ航路輸送していることから、追浜の納整機能の向上により、この点でも効率化できる見通しだ。

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