海星 集中打 鮮やか逆転 看板打線爆発 12得点で佐実破る

【3回戦、海星―佐世保実】6回表海星2死二、三塁、村上(右)が右中間を破る3点ランニング本塁打を放って笑顔でベンチに戻る=県営ビッグNスタジアム

 ノーシードの“夏の海星”が3時間超の乱戦を制して第2シード佐世保実を撃破。加藤監督がポイントに挙げてきた「攻守の歯車」がかみ合ったとは言えないが、不安定な守備を看板打線が強力に補った。主将の坂本は「内容が悪すぎた」と後手に回った反省を強調した上で「全体の勝負強さは秋や春より出てきたと思う」と汗を拭った。
 今季の県内主要大会は毎回優勝候補の一つと評されながら結果を残せなかった。昨秋は九回に3点リードを守れず、今春は初回に3点先制したが、いずれも3回戦でサヨナラ負け。NHK杯は長崎地区予選決勝、県大会準々決勝ともに0-1と打線が沈黙した。攻守のバランスが取れず、もがいてきた。
 この日は失策や与四死球絡みで先制と逆転を許すなど「守」が乱れて嫌な空気が漂ったが、中盤に大量12得点と「攻」が爆発。4安打6打点と気を吐いた村上が「つながりがあり、どんどん点を取れるのが強み」と力を込めたように、同じ失敗は繰り返さなかった。
 夏の長崎大会は過去11年間、シード校が優勝。その前の2007年は今季と同様に混戦で、ノーシードの長崎日大が全国4強まで駆け上がった。ここからも厳しい戦いが続くが、勢いは確実に増したチーム。それを結果につなげていくためにも、坂本は「悪いなりにどう変えていくのか本気で考えて、一人一人が踏ん張るしかない」と気を引き締め直していた。

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