テント泊登山で必要なものって? 装備リストを一覧でチェック! テント泊登山の持ち物と、各アイテムの必要性や選ぶ時のポイントを解説。今年こそはテント泊にチャレンジしたい! でも…「荷物は何を用意すればいいの?」「ザックはどのくらいの大きさ?」「装備を揃える費用はどれくらい?」そんな疑問にまるっとお答えしちゃいます。忘れ物チェックにも使える、分かりやすい装備一覧リスト付き。絶対に必要なものと、あると便利な持ち物があるので、自分にぴったりのアイテムを揃えてテント泊に出かけましょう!

今年はテント泊にチャレンジ! 必要な装備って?

テント泊登山をしようと思ったら、揃えるべきアイテムとは? まずは持ち物リストでざっと見てみましょう。装備を一式揃えるとなると、いったいどれくらいのお金がかかるでしょうか。

テント泊の持ち物一覧リスト(忘れ物チェック付き)

■凡例・・・◎:必須 ○:状況によって必要な場合あり

テント泊の基本装備、費用はざっと10万円ほど!?

日帰りや山小屋泊の荷物とテント泊で大きく違うのは、「食」と「住」。行程にあわせた食料と調理器具、テントやシュラフ、シュラフマットなどの幕営用の荷物が増えます。その分、大きなザックも必要に。

幕営用品3点をいっぺんに揃えるだけでも費用はざっと10万円ほど。その他に持っていないものがあれば、さらに出費が嵩みます。

しかし、一度道具を揃えてしまえば数年愛用することができるのも山道具。日帰り登山や山小屋泊を経験している人は、既に持っている装備も多いことでしょう。

では、テント泊ならではの必須アイテムは何か、どんな時に必要なのか、あると便利なアイテムはどんなものか、テント泊装備を考える上で大事な3つのチェックポイントを詳しくみていきましょう!

【ポイント①】テント泊の基本!幕営に必要な7つのアイテム

まずはテント泊登山に欠かせない幕営アイテムから。必須アイテム[◎]と状況によっては必要なアイテム[○]をご紹介します。

【1】テント[◎]

これがなければ始まらない、睡眠や休憩の空間を作ってくれるテントです。雨や風を避けて安全に過ごすためのアイテムであり、なかでも山岳用のテントは強度がありながら、背負って登りやすいように軽量でコンパクトに作らています。キャンプやツーリング用のテントを持っている場合もあると思いますが、使用環境に合った山岳用のテントを選びましょう。

テント下に敷いて、小石などからテントを守るグランドシートは別売りの場合が多いですが、一緒に購入するのがおすすめです。

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【2】シュラフ(寝袋)[◎]

快眠のために必要な寝袋(シュラフ)。ダウンジャケットとダウンパンツ、布団と違う点は、全身をすっぽりくるめること。体温を逃さずに暖かく眠ることができます。形やサイズ、中綿の素材など、種類が多岐に渡るので、テント同様に使用環境に適したモデルを選ぶことが重要です。

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【3】シュラフマット[◎]

シュラフの下に敷くマットで、地面の凹凸をやわらげ、地面からの冷気を防ぐ役割をします。マットには空気を入れて膨らませるタイプのものと、ジャバラやロール状のタイプがあります。

長さもフルサイズからショート丈まで展開。寝心地が異なりますので、アウトドアショップで試しに寝転んでみて、自分の体と相性の良いモデルを見つけるのがおすすめです。

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【4】シュラフカバー[○]

シュラフの外側をくるむシュラフ型のレインカバーのようなもの。これがあるとテント内が雨などで浸水したときや結露が発生したときに、シュラフが濡れにくくなり、保温力が上がります。軽量で、防水性・透湿性が高いものを選びましょう。

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【5】テントマット[○]

テント内に敷く薄いマット。テント内全面に敷くことで、地面からの冷気を防いで暖かく過ごすことができます。また、雨がテント内に浸水した場合に、シュラフなどが濡れないようにする役割もあります。なくてもテント泊をすることはできますが、あるとより快適な空間に。

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【6】小型のランタン[○]

テント内でくつろいだり、着替えや出発の準備をするのに必要な灯りです。ヘッドランプでも代用できますが、ヘッドランプの灯りと違ってテント内全体を明るく照らしてくれます。最近では小型で折りたためるものも多く、軽量化されています。携行にも負担にならないので、1つあると重宝するはず。

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【7】金槌[○]

テントの張綱を固定するペグを地面に打ち込む道具です。岩などでも代用可能ですが、固い地盤だったり手頃な岩がない場所ではあると便利。金槌の反対側は、ペグが抜けないときに引っかけられるようになっているものがおすすめです。

→続いて、大型ザックと食事についてをチェック!

【ポイント②】テント泊登山用に“大型ザック”を準備しよう!

テント泊の装備が揃ったら、大型ザックの準備! 「衣」「食」「住」全ての荷物を詰め込める、大きめサイズのザックが必要です。

どのくらいのサイズ・容量を選んだらいい?

1~2日のテント泊なら目安は50~70L。それ以上の長期縦走であれば70L以上が目安。

大きければいいというものでもなく、大きなザックは重量も増すので、どの程度の期間テント泊をするのかを考えて購入しましょう。また、重い荷物を背負って長時間・長距離を歩くわけですから、背負い心地も重要。購入前にショップで試してみるのが◎です。

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【ポイント➂】テント泊時の食事は何にする? どのくらい持って行く?

最後にテント泊での食事についてご紹介します。食事は全て山小屋で済ますというのも手ですが、テント泊の場合、混雑時は小屋で食事を食べられないこともあるので、どんなときでも食料は持って行きましょう。

「軽い」「日持ちする」「調理が簡単」な食べ物がおすすめ

テント泊の食糧計画で大事なポイントは3つ。まず「軽い」こと。そして温度管理ができないので「日持ちする」こと。最後にバーナーなどの調理器具でできるような「調理が簡単な」食べ物であることです。

これをふまえた食料でおすすめなのはフリーズドライ食品。ラーメンやパスタ、ごはんなどがお湯を注ぐだけで出来上がるので、誰でも簡単に調理して食べることができます。余裕があれば具を足すなどアレンジして食事を楽しみましょう。また、湯煎するだけのレトルト食品も手軽。ゴミが最小限で済むようにすることも大事です。

山行日数や食事の回数、登山の消費カロリーを基に“量”を考えよう!

登山で消費するカロリーの目安は、以下の式で求められます。

エネルギー消費量(kcal)=体重(kg)×行動時間(h)×5
出典:登山の運動生理とトレーニング 山本正嘉(鹿屋体育大学)

登山中の摂取カロリーが少なすぎたり、荷物が重くなりすぎないように、山行日数と工程を書き出して、必要な食事の回数を確認してみましょう。テント場でゆっくりと摂る食事の他に、行動食と非常食も必要です。高カロリーを摂れるようなお菓子やジェルなどを持って行くのもおすすめです。

クッカーやバーナー、カトラリーの準備はOK?

山ごはんを作るために必要な調理器具も持っていない場合は、併せて用意しましょう。形も素材も実にさまざまな種類が販売されているので、もし迷ったら、クッカーとバーナーセットになっている商品を選ぶのもひとつの手です。

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