「せっかく来たんだから」は要注意。登山に必要な【撤退】を決める勇気 仕事の休みを利用して久しぶりに登山だ!でも悪天候・・・そんな時「せっかく来たんだから・・・」と思ってしまうことはありませんか?無理をしてでも行くべきなのか、日を改めるべきなのか、一体何を優先するべきなんでしょうか?本当に大切なのは何か、改めて考えてみましょう。

登山者全員が持っている気持ち

山に行く理由は人それぞれ、「山頂からの景色」「山ごはんを作ること」「自然を感じたい」など、山には沢山の魅力があります。地元の山に行くこともあれば、離れた県外へ足を運ぶこともしばしば。日帰りから泊りの登山など、登山スタイルも様々です。
しかし、多種多様な登山スタイルがあるなかでも、「山を楽しみたい」という気持ち登山者全員に共通していることと言えるのではないでしょうか?

毎回うまくいくとは限らない

楽しく登山ができれば素晴らしいことですが、登山は自然が相手。天候が悪いことはしょっちゅうです。「休みに合わせて計画していたのに・・・」なんて経験がある人も多いのではないでしょうか。

そんな時、ふと、「せっかくきたから」という気持ちをもったことはありませんか?

「多少天気が悪くてもしょうがない」そんな風に考えることは自然なことです。しかし、登山には常に危険が伴うということを絶対に忘れてはいけません。

【大前提】自己都合で考えちゃダメ!

当たり前ですが、登山は都市部ではなく自然環境で行うもの。言わば自然相手の遊びです。
「晴雨」「気温」「湿度」「風の状態」といった天候は人間がコントロールできるものではありません。

リスクを減らすには「自然の都合」を優先しよう

仕事などが理由で、山にいけるタイミングが限られている人も多いはず。自分や仲間のスケジュールを考えて山行計画を立てるのはごくごく一般的。

ですが、最も優先するべきものは「自分たちの都合」ではなく「自然の都合」です。

何度も登っている山でも、気象条件次第では生命にかかわる事故に繋がりかねません。自然環境を相手にしている以上、自己都合を優先することは危険につながるのです。

引き返す「勇気」を持とう

そうは言っても、自然環境の状態は不確定要素が多いのも事実です。
大前提を理解しているつもりでも「行ってみなければ分からない」「回復するかもしれない」「多少雨が降っていても大丈夫」と山に行きたい気持ちを抑えるのは難しいもの・・・

危険を感じるその前に

しかし、実際に行ってみたら「やっぱりダメそうだ・・・」では危険なんです。
「本当に危険を感じてからでは遅い」と言葉にするのは簡単ですが、実際にどこで判断するのかは難しいですよね。

その先にどんなことが起きるか予想できない時には、“確実に引き返すことができる場所”で判断しましょう。

早めに決断することは非常に難しいもの。「行けるかもしれない」という可能性を捨て、「引き返す」という選択をすることには勇気が必要です。
本当に大切なことを考え、進む時と同じだけの“覚悟”をもって引き返しましょう。

チャンスは必ずまた訪れる!

登頂できなかった時のことを「敗退」と表現することがあります。しかし、撤退したことは何一つ恥ずかしいことではありません!

“無事に下山する”という何よりも大切な約束を果たす勇気ある行動なんです。

「山は逃げない」という言葉がありますが、必ずまたチャンスは巡ってきます。一度の機会に無理をすることなく、余裕をもって山を楽しみましょう!

© 株式会社スペースキー