写真はイメージです
花嫁の夢が叶った時には、花嫁が亡くなってしまっていた、そんな悲しいニュースが大きな反響を呼んでいます。
タイの地方都市で結婚予定だったカップルの花嫁フォンさん、彼女は結婚式で使う写真の撮影のために、彼女が大好きな地元で大評判のプロ・メークアップアーティストのアンポンさんにメークを予約して、初めての体験をとても楽しみにしていました。
フォンさんが予約していたメークアップと写真撮影は、7月16日の予定でした。
ところが、異変が起きたのは14日のこと。
そのメークアップアーティストのアンポンさんに、フォンさんの結婚相手の新郎の男性から急ぎの電話があったのです。
新郎の男性は、花嫁のフォンさんに「テング熱」と思われる症状が出てしまい、命の危険もある状況だから、16日のメークアップと写真撮影が出来なくなってしまったので、日付を延期させて欲しいとお願いを伝えたのです。
これを聞いたメークアップアーティストのアンポンさんも、とても心配していました。
翌日の朝、また新郎からアンポンさんに電話がありました。
既に花嫁のフォンさんは危篤な状況になってしまいました。でも、花嫁のフォンさんは初めてのプロのアンポンさんのメークアップをとても楽しみにしているので、亡くなってしまうとしても、アンポンさんにメークアップをしてあげてもらえないかというお願いでした。
これを受けてアンポンさんは、息子と一緒に200km以上の遠い道のりを超えて、結婚式写真撮影用のウェディングドレスも用意して、花嫁のフォンさんの元に急いで向かいました。
しかし、アンポンさんが花嫁のフォンさんの元に到着しましたが時既に遅し、花嫁はテング熱で息を引き取った後でした。
アンポンさんは申し訳ないという思いで、メークアップと写真撮影の予約の預かり金の全額を遺族の皆さんに返して、花嫁のフォンさんに生前の希望だったメークアップをし始めたのです。
その時の動画が、以下のタイ現地メディアのニュース動画などで報道されています。
タイメディア「MCOT」のニュース動画
こうして、花嫁のフォンさんの願いはかないましたが、メークアップがされた時には、花嫁は亡くなってしまっていた、とても悲しいニュースとなりました。
このニュースはタイで大きな反響を呼んでおり、上記のYouTube動画も既に77万回以上が再生されています。
タイではテング熱が大流行していて、今年はわずか2か月強で9000人以上が感染している(*1)ことから、注意喚起がなされています。
タイの保健衛生当局によると、花嫁のフォンさんのいたナコーンシータマラート県では今年だけで既に1600人以上が感染し、死者も6人が確認されており、この花嫁のフォンさんが、7人目の死者となってしまいました。
タイでは外国人の日本人も含めて、テング熱への感染被害は大きくなっています。このようなテング熱の悲しい犠牲者が減る事を願うばかりです。(文◎西山哲治)
(*1)参考記事
PJA NEWS)2019年のタイはデング熱が大流行!
2ヶ月強で9,044人感染 (2019年3月17日)
https://pattayaja.com/2019/03/17/3304/