容疑者を覚せい剤使用で再逮捕 「抜けるまで」と逃走 愛川・受刑予定者逃走

横浜地検を出る男=23日午後5時15分ごろ、横浜市中区

 保釈後に窃盗などの罪で実刑判決が確定した無職の男(43)が6月、刑務所への収容を免れるため愛川町田代の自宅から逃走した事件で、県警は24日、覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで、同容疑者を再逮捕した。県警によると、同容疑者は「1人で使った」と供述、容疑を認めている。

 同容疑者は逃走から4日後、横須賀市内のアパートで身柄を確保された。このアパートに住む建築業の被告(38)=犯人蔵匿罪で起訴、覚せい剤取締法違反容疑で再逮捕=に自身をかくまうよう依頼したとして、犯人蔵匿教唆などの容疑でこれまでに2回逮捕されていた。

 横浜地検は24日、犯人蔵匿教唆の罪で、同容疑者を追起訴した。起訴は公務執行妨害罪に続き2度目。地検は認否を明らかにしていない。

 県警によると、同容疑者は逃走中にニュースで自身の指名手配などを知り、「とんでもないことをしてしまった。予想以上に騒ぎが大きくなっていることに動揺した」などと供述。逃走翌日の朝に知人を介して同被告と出会い、何度か出頭を促されたが、「覚醒剤が抜けるまで捕まるわけにはいかない。抜けるまでかくまってほしい」などと頼んで逃走を続けたという。同被告以外の知人にも手助けを求めたが、「断られた」とも供述している。

 再逮捕容疑は、6月上旬ごろから同23日までの間、県内かその周辺で覚醒剤を使用した、としている。同容疑者の尿からは覚醒剤の陽性反応が出ていたほか、自宅と潜伏していた同被告宅からは覚醒剤の使用目的とみられる注射器などが見つかっていた。

 逃走事件は6月19日午後1時すぎに発生。同容疑者は収容状を持って自宅を訪れた地検職員らに包丁を振り回すなどして威嚇、逃走した。その後、横浜市内などで同被告にかくまうよう依頼し、県内を転々としていたとみられる。

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