99%の部品が新しくなった新型イヴォークを徹底解説!

ランドローバー 新型イヴォーク HSE

デビューから8年。フルモデルチェンジで何が変わったのか?

ランドローバー 新型イヴォーク HSE
レンジローバー・イヴォーク・コンテンポラリー・エディション

2012年にデビューしたレンジローバーの末っ子SUV、イヴォーク。2018年末、イヴォークとしては初のフルモデルチェンジが行われた。現行レンジローバーシリーズのデザインを踏襲し、プラットフォームも新設計。さらに上位グレードではマイルドハイブリッドシステム搭載モデルも加わるなど、まさに一新された内容だ。

一般道と特設コースでの試乗の模様はコチラに掲載したが、プレミアムコンパクトSUVというカテゴリーを切り拓いた初代の成功を受け継ぐべくデビューした2世代目は、いったいどのように変わったのか。ここではデザイン、プラットフォーム、エンジン、デバイスなどに注目してみよう。

一目でイヴォークとわかるスタイルを維持しながらよりモダンに

レンジローバー 新型イヴォーク デザインスケッチ

クーペスタイルのシルエットは初代から継承しつつ、Reductionism(還元主義)というデザイン理念を取り入れた2代目。兄貴分であるヴェラール、レンジローバースポーツ、そしてフラッグシップであるレンジローバーに通じるデザインのディテールが各所に散りばめられ、ブランドでは一番ベーシックなポジションながら、プレミアムなイメージが完成している。

ワイド&ショートなディメンションは初代と変わらず、タイヤを四隅に配し、オーバーハングを切り詰めたことで、強い存在感を発揮している。

プラットフォームを新設計してまったくの別物に

レンジローバー イヴォーク

ジャガーランドローバーグループが急速に進めている電動化。イヴォークも将来的な電動化を見据えて、新たに開発されたプラットフォームであるPTA(Premium Transverse Architecture)を採用している。

99%新設計ということで、唯一先代からキャリーオーバーされたパーツはドアヒンジのみという徹底的な刷新ぶり。ホイールベースの延長は、後席の居住性を引き上げており、大人が乗っても快適な空間となっている。またトランクルームの容量も先代に比べて拡大(通常591リッター/最大1383リッター)している。

マイクロハイブリッドが追加されエンジンラインアップは隙なし

レンジローバー イヴォーク

エンジンは4気筒のインジニウム。ディーゼル、ガソリン、マイルドハイブリッドの3種類で、出力が異なる全17機種をラインアップする。

トップグレードのP300に搭載されるマイルドハイブリッドは、ベルト・インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター(BISG)とコンバーター、48Vのバッテリーからなるシステムで、時速17km/h以下になるとエンジンを停止し、減速エネルギーを蓄電。発進時の動力として使用するなど、静かで効率的な走行を可能としている。システムの動作は自然で、排気量が上がったようなフィーリングとなる。

ランドローバー 新型イヴォーク HSE
ランドローバー 新型イヴォーク HSE

D180として用意されるインジウムディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンに比べてCO2排出量を約20%低減している。また、欧州の排出ガス基準であるEU6d-Tempに適合し、窒素酸化物(NOx)もAdBlueを採用した選択触媒還元(SCR)排出ガス浄化システムで低減させているなど、環境性能はかなり高い。

また燃費はガソリンエンジンに比べて約20%優れているので、年間19000km以上走行するというオーナーは、費用対効果の高いディーゼルを選ぶのがいいだろう。

ボンネットが透ける!? 新しい技術が盛りだくさん

ランドローバー 新型イヴォーク HSE

フロントグリルと両側のドアミラーに装着したカメラによる画像を合成し、通過中の路面の状況を映し出す世界初の機能となるClearSightグラウンドビューを標準装備している。まるでボンネットがないかのような合成動画で、フロント下180度の視野を確保。時速30km/h以下で作動し、段差のある路面やオフロードなど障害のある路面での走行時に便利。また縦列駐車もサポートしてくれる。

ランドローバー 新型イヴォーク HSE
ランドローバー 新型イヴォーク HSE

ルームミラーは、通常の鏡のほか、ルーフアンテナに組み込まれたカメラで撮影した画像を映し出すことができる。ClearSightリアビューミラーと呼ばれるこのシステムは、鏡よりも視野角がかなり広く、斜め後方の死角を減らしてくれるほか、ラゲッジに荷物が満載でも後方を確認することができる。

またスマートフォンのBluetoothとリモートキーを利用したドライバー認識システム「スマート・セッティング」をランドローバーで初めて採用。AIのアルゴリズムを使い、シートポジションやステアリングコラム、温度設定、シートマッサージ設定など、乗り手に合わせてそれぞれが自動的にセッティングされる。

その他、最新のソフトウェアにワイヤレスでアップデートが可能になるSOTA(Software Update Over The Air)をランドローバーとしては初採用したり、離れた場所からクルマの情報を確認・操作できる「リモート」やスマートフォンのアプリを車両のタッチスクリーンから操作できる「InControlアプリ」など、インターネットやモバイルデバイスを使った技術がかなり進化している。

装備充実のFirst Editionがオススメ

レンジローバーのシリーズ中、スタンダードなポジショニングのイヴォークだが、上位モデルに先行して新しい機能を取り入れるなど、著しいアップデートが行われた今回のフルモデルチェンジ。

発売にあたり、D180とP250をベースに装備を充実させたFirst Editionが用意されているので、こちらをまずはオススメしたい。個別でオプションを装着するよりは、かなりお得な設定となっている。

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