釜山で復元の朝鮮通信使船 対馬寄港可否「検討中」

 日本政府による対韓輸出規制に絡み、韓国・釜山市の外郭団体「釜山文化財団」は24日、韓国で復元し、8月の対馬厳原港まつりでの日本初寄港を企画していた「朝鮮通信使船」について、長崎県対馬市に「寄港の可否を検討している」と伝達した。同財団は26日に最終判断するとしている。
 朝鮮通信使船寄港に対する同財団の見直しは、釜山市の呉巨敦(オゴドン)市長が23日、「釜山市の日本交流事業を全面再検討する」との声明を出したことを受けた対応。呉市長はこの声明で、日本の輸出規制強化を撤回するよう求め、日韓交流行事について市の主管分は全面的に再検討、民間団体との事業は「(当該団体の)意見を尊重した上で参加の可否を決める」としていた。
 対馬市によると、同財団からの電話が24日夕にあり、「対馬寄港について26日まで有識者と協議する」と伝えられたという。対馬市文化交流・自然共生課は「地方や民間の草の根交流は、政治に影響されるべきではないと財団側に伝えたい」としている。
 復元した朝鮮通信使船の寄港については昨年、同財団から対馬市に打診があり、今月1日、船を築造した韓国の「国立海洋文化財研究所」との3者で、8月3、4日の対馬厳原港まつりに向け相互協力する内容の「三者協約書」を締結していた。

© 株式会社長崎新聞社