那岐山|360度の大パノラマ!花も楽しめるハイキングコース2選 氷ノ山後山那岐山国定公園内、鳥取県八頭郡智頭町と岡山県勝田郡奈義町の境界にある「那岐山」。国造りの神さまが登場する伝承を持ち、古くは行場でもあった霊峰です。標高1,255m。山頂からは360度の大パノラマが楽しめます。登山道は良く整備され、初心者にも人気。また、花が見事なことでも知られており、中でもドウダンツツジの群落は天然記念物に指定されるほど。今回は岡山県側からの2つのルートをご紹介します。

地元で人気の“神の山”へ!

  • 標高: 1,255m
  • 所在地: 岡山県勝田郡奈義町・鳥取県八頭郡智頭町
  • 体力レベル: ★★~
  • 難易度レベル: ★★~

岡山県と鳥登取県の県境にある、古くは行場でもあった霊峰「那岐山(なぎさん)」。その名は、古事記に登場する伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)がこの山に降臨したことから付けられたといわれていて、山中にも神様の名が刻まれた巨石がある歴史ある山です。

低山ハイキングに最適の山

登山ルートはよく整備されており、山頂付近には避難小屋やトイレもあります。メインのルートはA(菩提寺コース)、B(蛇淵コース)、C(大神岩コース)の3ルート。
登山口には無料駐車場があるほか、バス停もあるため、公共機関でもアクセスできます。初心者からベテランまで楽しめる山です。

四季で変化する豊かな表情

春から初夏にかけてはさまざまな花が咲き誇ります。特にドウダンツツジの群落は天然記念物に指定されるほど。
登山ルートはメインの3コース以外にも、滝をめぐるコースや中世の山城の城跡をめぐるコースなどもあり、何度行っても楽しめるのが那岐山の魅力。

那岐山の登山適期は?

初夏から秋までがベストシーズン。4月中旬から下旬にはシャクナゲやイワカガミが、5月下旬から6月上旬はドウダンツツジが見頃です。秋には山が紅葉し、菩提寺にある大銀杏も鮮やかな黄色に染まります。
12月から4月上旬までは積雪があり、雪装備が必要になるので、入山の際には事前にしっかり状況を確認するようにしましょう。

天気も必ずチェック

稜線歩きが気持ちい!菩提寺コース

凡例はこちらをクリック:グレーディング表
菩提寺そばの登山口より、山頂までを往復するコース。階段状に整備された道が多いので、少々疲れますが、歩きにくいところが無いので登山初級者にもおすすめです。見晴らしのいい休憩場所もあるので、ゆっくり上がりましょう!

コース詳細

菩提寺駐車場のすぐ西側、Aコースの登山口からスタートします。

序盤はしばらく階段が続きます。八巻山への分岐から那岐山方面へ。

標高1,010m地点の慈母峰にはベンチもあり、那岐山がキレイに見えますよ。ひと休みするにはぴったりの場所です。

慈母峰からは下り道。下りきった辺りに6合目、蛇淵Bコースへの分岐があります。

ここからは山頂へ向けて登り返し。あと一息です!

稜線へ出ると視界が開けます。山頂まではなだらかな上り道。景色を楽しみながら向かいましょう。

ほどなくすると山頂に到着。晴れていれば氷ノ山や大山、瀬戸内海の島々や四国まで、大パノラマが楽しめますよ!

神仏ポイントと滝が楽しめる!蛇淵&大神岩コース

凡例はこちらをクリック:グレーディング表
続いて紹介するのは大神岩コース(Cコース)から登り、蛇淵コース(Bコース)から下る周回コース。やや荒れた登山道も通るため、山歩きに慣れている人におすすめ。途中、神仏ポイントや滝など見どころも満載です。

コース詳細

第1駐車場から林道を少し上がった右手、Bコース・Cコースの登山口からスタートします。

少し進むと分岐があるので、今回はCコースへ進みます。

第1神仏ポイントの大神岩に到着。案内板に従ってまわりこむと、岩に彫られた文字を見ることができます。岩の上に立つと、麓の町が良く見えますよ!

三角点峰からは見晴らしのいい笹原が広がります。トイレも設置されていますので、休憩場所としても最適。

稜線上に伸びた登山道沿いには、しっかりとした避難小屋もあります。

山頂は開けていますので、ランチを食べたりするのもいいでしょう。

ベンチも設置されているので、休憩をとりながら大パノラマを楽しみましょう!

山頂からは来た方向とは反対側へ。菩提寺コース出合に着いたら、分岐を右へ入りBコースで下山します。

ヒノキ林の中を歩きます。強い日差しを遮ってくれるので涼しくて快適。

Bコースは川沿いの道が多いので、涼しく楽しいルートです。

一旦林道に出て少し下ると「蛇淵の滝」の入口があります。

蛇淵の滝は趣があって神秘的な雰囲気。滝の周辺は水しぶきなどで濡れていたり、苔もありますので滑らないように気を付けましょう。下山は沢沿いを案内に従って、駐車場方面へ。

下山したら行きたい観光・温泉情報

登山口からアクセスが容易で、便利な立ち寄りポイントをご紹介します。登山の準備、下山後のお楽しみにどうぞ。

菩提寺の大銀杏

Aコース登山口の横にあるお寺「菩提寺(ぼだいじ)」。その境内には大きな銀杏の木があります。なんと、法然上人が学問成就を祈願して挿した杖が芽吹いたとか。
高さ約40m、幹囲約13m、樹齢推定900年の大樹で、国の天然記念物にも指定されています。毎年11月中旬に約1週間、「菩提寺大イチョウライトアップ」も必見です。
奈義町 観光サイト

那岐山麓山の駅

特産品の販売の他、コテージやレストランもあり、宿泊や食事などが楽しめます。焼きたて米粉パンが人気。お手洗いや食料品の調達など、登山の拠点にも便利です。冬にはこちらから雲海を見られることがありますよ。

那岐山麓 山の駅

極楽の里えびす乃ゆ 河辺店

下山後はやっぱり温泉。広い浴室のほか、サウナや露天風呂もあり、ゆったりくつろげます。また、飲食スペースもあり、季節ごとのメニューを楽しめますよ。

  • 料金,大人 600円、高齢者(70歳以上)500円、小学生 200円 手ぶらセット(入浴+フェイスタオル+レンタルバスタオル+ソフトドリンク)900円
  • 営業時間,10:00~24:00
  • 定休日,第1火曜日
  • その他,駐車場:無料 バスの場合は「イオン津山店前」で下車、徒歩約6分

極楽の里 えびす乃ゆ

登山口までのアクセス

菩提寺駐車場

菩提寺駐車場は那岐山Aコース登山口の東側にあります。
料金:無料
駐車台数:約15台

第1駐車場

満車の場合、登山口近くに第2、第3駐車場もあります。
料金:無料
駐車台数:約40台

電車&バスで行くには

JR津山駅より、中鉄バス、行方・馬桑線(津山~馬桑行き)で向かいます。
菩提寺までは、馬桑で下車して徒歩約14分。那岐山麓山の駅までは、行方畝で下車して徒歩約30分。

中鉄バス 時刻表

四季折々、色々楽しめる那岐山へ

春は花、夏は涼しい沢歩き、秋には紅葉、四季折々の表情を見せてくれる那岐山。筆者もドウダンツツジが満開を迎える初夏が大好きです。是非、何度も足を運んで色々な那岐山を楽しんでみてください。

【登山時の注意点】
・登山時にはしっかりと装備を整え、充分なトレーニングをしたうえで入山してください(足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など)。
・登山路は複数あり、分岐も多くあるので、地図・コンパスは必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合った無理のない計画で登山を楽しんでください。

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