【MLB】メジャーで“珍事”、複雑すぎる選手交代の確認で試合が20分中断「ぐちゃぐちゃ」

レイズのアダム・コラレック【写真:AP】

「オープナー」の生みの親のレイズの選手交代に…敵将は混乱「説明が難しい」

■レイズ 3-2 Rソックス(日本時間25日・タンパ)

 24日(日本時間25日)に行われたレイズ-レッドソックス戦で、投手交代の確認のために試合が20分間も中断するというハプニングがあった。MLB公式サイトは「誰が一塁に? レイズの交代により、レッドソックスが抗議」とのタイトルで報じている。

 まさかの“事件”は8回に起きた。8回、1点をリードするレイズは先発チャーリー・モートンに代えてアダム・コラレックを投入。左腕がトラビスを一飛に仕留めると、レイズのケビン・キャッシュ監督は右腕チャズ・ローを投入し、コラレックを一塁の守備につかせた。そして、ローがベッツを左飛に打ち取ると、コラレックは左打者のデバースと対戦するため再びマウンドに上がり、ネイト・ロウが一塁の守備に。ここでレッドソックスのコーラ監督がベンチから出てきて、試合が中断した。

 MLB公式サイトは「アダム・コラレックは、フィールドで話し合いが行われている間、マウンドに立ち困惑していた。彼は20分間で3度ウォームアップをし、審判からの指示を待っていた」とその時の状況をレポート。記事によると、レイズは最後の交代でDHのメドウズに代わってコラレックを3番に入れたことでDHを放棄したが、コーラ監督は説明を求めたという。

 コーラ監督は試合後もまだ混乱していたようで、地元メディアの取材に「いろんなことが起こっていた。チャーリー(・モートン)と左腕(コラレック)が交代し、ローがチェと交代した。その時点ではDHを維持していた。投手、一塁手、マウンドにも投手、まだDHを維持していた。説明するのが難しい」と回答。さらに「ルール違反の交代があったと思った。その時点でぐちゃぐちゃだった。抗議したよ」と話したという。

審判が説明「監督が決断をしなかったら、球審が必要な打順を決められる」

 一方で、キャッシュ監督は「全ての会話は聞こえなかった。特にアレックス(コーラ監督)と審判との会話はね。だから、何が話し合われていたかよく分からない」と証言し、「混乱があったようだが、我々は間違ったことをしていないと確信している」と振り返っている。結論としては、キャッシュ監督がコラレックの打順を伝えなかったため、打順の決定権は審判団にあったということのようだ。

 エルナンデス審判は「彼(コーラ監督)は状況を知りたがっていた。現時点までに起こったことは変わらないと伝えた。ルール5:10.b.に従い、監督が決断をしなかったら、球審が必要な打順を決められる。審判の決断が最終決定だ」と説明。記事では「最終的に、話し合いとニューヨークのリプレーレビューセンターへの連絡により、20分間の中断の後、コラレックは1球でデバースからアウトを取った」と当時の状況を振り返っている。そして、コラレック自身は「20分のようには感じなかった。中断の後に起こったことは面白かったね。たった1球。でも良かった。素早くアウトを取るのはいつだって良いことだよ」と話したという。

 救援投手を先発させる「オープナー」の“生みの親”として知られるレイズ。この試合では、複雑すぎる選手起用が相手球団を困惑させることとなったが、試合はそのまま逃げ切り3-2できっちりと勝利。ワイルドカードゲーム圏内まで1ゲーム差と好位置をキープしている。(Full-Count編集部)

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