海星 看板打線が奮起 シード校・長崎総合科学大付を破る

【準々決勝、海星―長崎総合科学大付】8回裏長崎総合科学大付1死二塁、中前打で二走西村雄が本塁突入したが、海星の中堅松尾悠が好返球でタッチアウト。捕手植木=県営ビッグNスタジアム

 強打の海星が2試合連続でシード校を破った。この日も投手陣は与四球9とリズムは良くなかったが、看板の打線が奮起。今大会初めてリードを許さずに長崎総合科学大付を下した。加藤監督は「内容を考えればきりがないが、経験値は右肩上がり」と、苦しみながらも1勝を積み上げてきたチームを評価した。
 指揮官が「あいつがぶれたら終わり」と信頼する中堅松尾悠が攻守で存在感を示した。初回無死から中前打で先制の口火を切ると、八回には鮮やかなバックホームで相手の反撃を阻止。ヒーローは「下位がつくってくれた好機で打てなかったし、守備もキャッチャーがよく捕ってくれたから」と謙虚に振り返った。
 5年ぶりのV奪回まであと2勝。松尾悠を筆頭に、打力、守備力は申し分ないが、ここからは野手に助けられてきた投手陣の踏ん張りが絶対条件になる。
 エースナンバーを背負う柴田が「投」を代表して宣言した。「情けないピッチングをしても点を取ってくれる。その打線にもっといい状態で振ってもらうために、次こそ自分たちの番」。4強の中で唯一、4試合36回をフルで戦ってきたチームが、あと二つ経験値を積み上げる。

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