糸井嘉男の夏は熱い、昨季は8月の打率.387 22年に40歳で2000安打到達も!?

阪神・糸井嘉男【写真:荒川祐史】

6月は月間打率.354&7月も.333と好調、あと5日で38歳も…

 あと5日で38歳になる阪神の糸井嘉男が元気だ。6月は月間打率.354、7月も.333だ。

 シーズン通算では打率.309。セ・リーグの打率5位につけている。規定打席以上の打者は両リーグに62人いるが、1981年7月31日生まれ、松坂世代の1歳下の糸井嘉男は最年長だ(同級生に1982年1月25日生まれのヤクルト青木宣親がいる)。

 糸井嘉男は近畿大学から2003年自由獲得枠で日本ハムに入団。大学時代は好投手として知られ、投手としての入団だった。しかし、入団から2年間は1軍に出場せず。2006年春に外野手に転向し、2007年の開幕戦で1軍初出場を果たした。すでに25歳になっていた。同学年で高校から1999年のドラフトでプロ入りした川崎宗則(前ソフトバンク)は、前年までに590安打を打っている。糸井は外野手としてデビューするまでに大きな遠回りをしていたのだ。

 2009年に初めて規定打席に到達、以後、俊足好打好守の外野手として活躍してきた。糸井はオリックス、阪神と2度移籍をしているが、日本ハムも含め在籍した3球団で数字を残している。

【球団別の打撃成績】

日本ハム(2007~12)
610試合2111打数638安打55本塁打245打点117盗塁 打率.302

オリックス(2013~16)
556試合2042打数613安打70本塁打280打点128盗塁 打率.300

阪神(2017~ )7/25まで
324試合1186打数358安打38本塁打169打点50盗塁 打率.301

最高齢の3割打者は1996年の巨人・落合博満の43歳

 糸井は3球団すべてで打率3割をマーク。この間、首位打者1回(2014年)、最高出塁率3回(2011、12、14年)、盗塁王1回(2016年)、ベストナイン5回、ゴールデングラブ7回(外野手)を獲得。2016年の盗塁王は35歳、史上最高齢でのタイトル獲得だった。

 今季も糸井はチーム最高打率、最多安打。主に3番で出場し、安定した成績を残している。巨人戦では打率.327と活躍。チーム打点(320打点)最下位と貧打にあえぐ阪神打線にあって、一人気を吐いている。

 通算安打は1609本。少し前まで現実性がないと思われていたが、名球会入りまで391安打まで迫ってきた。糸井がこの好調を維持すれば、2022年早々にも大台に達する可能性が出てきた。このとき40歳だ。

 最高齢の3割打者(規定打席以上)は、1996年の巨人・落合博満の43歳(打率.301)。糸井はまだ5年あるが、これにも挑戦してほしい。

 2018年8月の糸井の月間打率は.387、2017年は.353、2016年は.326。真夏は糸井嘉男が大好きな季節なのだ。今季も大いに期待できるだろう。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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