【MLB】日米韓で活躍の元日ハム・ヒルマン氏に単独インタ 野球愛を語る「人との絆を大切に」

現在はマーリンズで一塁・内野守備コーチを務めるトレイ・ヒルマン氏【写真:Getty Images】

日本ハムでは5年間で通算683試合349勝320敗14分、06年には日本一

 トレイ・ヒルマン氏を覚えているだろうか? 日本ハムで監督を務めた5年間で通算683試合349勝320敗14分、チームをAクラスに3度導き「シンジラレナーイ」の明言でファンを沸かせた。現在はマイアミ・マーリンズで一塁・内野守備コーチを務めるヒルマン氏が単独インタビューに応じてくれた。

――2016年から韓国SKワイバーンズで監督を務め昨季は8年ぶりの優勝に導いたが今季からメジャーに復帰となった

「家族のために帰ってきたよ。2018年のスプリングトレーニングの終わりに母がアルツハイマー病になったからシーズンの中盤には父をヘルプするためこっちに帰ってくる手配をしていたよ」

――マーリンズは若い選手が多い、現状のチームをどう見る?

「マーリンはいい方向に向かっていると思うよ。(マイナーで監督やコーチを経験した)ヤンキースにいたころを思い出す。若い選手だから経験もないけどマッティングリー(監督)のリーダーシップやスカウトのおかげでいい選手が集まってきているよ。ジーターがオーナーのグループをまとめてくれているしね」

――ジョーダン・ヤマモト投手はメジャーデビュー戦で勝利を飾り先発ローテとして活躍している

「今日ここで先発できることは彼にとってもいいことだと思う。彼は非常に落ち着いているしね。若手が数人いるけどいいペースができてきていると思う。昨日はあまりよくないけれど、負けることも成長のうちの過程だよ。今まで一緒にいたチームと経験したものに似ているよ。いつ勝てるチームになるかはわからないけど、メジャーのレベルで成功する選手はたくさんそろっていると思う」

日本ハムで関わってきた選手らとは今でも交流「ブラザーやシスターとの絆があることはとても嬉しい」

――若い選手をこれからどのように?

「もちろん長所を伸ばすこともそうだけど、短所を補うためにバランスが大切だね。選手一人ひとりが成長することも重要だって教えているんだ。教えることはできるけど、もともと持っているものだったり、自分たちも成長したい気持ちを持っていないとね。そして、何万人ものファンの前でプレーする時に、ちゃんと落ち着いてプレーできるかも重要だから精神面もきちっと準備しないとね」

――日本や韓国の野球を経験してきたヒルマン氏。これからチャレンジする選手に何かアドバイスは?

「選手がどこから来ようと長所を大切にすることは重要だ。違う文化や言語を恐れずに知識があるんだったらそれを思いきり使ってプレーすることが必要だ。そこからちょっとずつアジャスト、改善していき、成長すればいいと思う。周りの雑音を聞かずに集中し成長することによっていい選手になるよ」

――ヒルマン氏にとって野球とは? とてもエンジョイしているように見えるが?

「野球は大好きだよ。神様も家族も愛しているけど、野球も大好きなんだ(笑い)。ほかのどのスポーツよりもチームの中の個人戦であったり、人生同様の山や谷もたくさんある。でも重要なのは安定感だね。本当に最高のゲームだと思っている。ルールだって毎年変わるし、分析することも学ばないといけないからね。人生でも学ばないといけないことがたくさんあるだろう。でも結果的にはみんな同じ人間だし、間違いだってあるしね。野球ではできるだけ少ないミスにおさめること。そして人との絆を大切にすることだね。どの文化にも言えることだと思うよ」

――ヒルマン氏にとって5年間を過ごした日本ハムファイターズとは?

「日本ハムのファミリーとはいまだに話しているよ。岩本さんや島田さん、吉村(GM)さんだったりインターナショナルスクールの友達とはいまだに話しているよ。数えきれないほどの思い出があるよ。金子や稲葉ともね。さっき言ったように絆は大切にするもんだね。日本人のブラザーやシスターとの絆があることはとても嬉しいよ。ダルビッシュとも会ったりするよ。こっちでプレーする彼を見ることができてよかったよ」(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)

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