夏の電気代はエアコンの割合が半分以上、跳ね上がる電気代の節約術

日頃、節約をあまりしていない人でも、夏や冬のエアコンを使う時期の電気代の高さが気になるのではないでしょうか。省エネになってきたとはいえ、エアコンの電気代はまだまだ高く、北海道を除く日本各地の平均で、夏の電気代全体の中に占めるエアコンの電気代は58%となっているのです。(資源エネルギー庁・省エネ性能カタログ2015年夏版より)

これだけの割合を占める夏のエアコンの電気代、使い方を少し見直せば、電気代全体を節約することもできます。ということで今回はエアコンの電気代の節約方法を紹介したいと思います。


エアコンは最新機種に買い替えるのが節約になる?

最近の家電は省エネになっていると聞くと、「やはり節約のためにはエアコンを最新機種に買い替えたほうがいいのでは?」と思う人も多いのではないでしょうか。そうなると何年に一度買い替えるのがいいのか、実際にどれくらい電気代の節約になるのか気になってくるところだと思います。

そんな人におすすめなのが、今使っているエアコンと新しいエアコンの電気代を比較できる「しんきゅうさん」というサイトです。これは環境省の地球温暖化対策活動COOL CHOICEの一環として公開されていて、エアコンの型番を入力することによって電気代の比較ができます。また今年は単独アプリとして「カメラ de しんきゅうさん」もリリースされたので、より簡単に調べることができるようになりました。

ここで気を付けなければならないのは、比較するのはあくまでも使用している時間の電気代です。当たり前のことですが、新しいエアコンの購入費用、古いエアコンの処分費用も考えなければなりません。毎日長時間エアコンを利用する人とあまり利用しない人とでは買い替えによる節約度合いも違ってきます。それも踏まえて買い替えを検討してください。

エアコンの電気代節約には掃除が必須

意外と多くの家庭で見落とされているのがエアコンのフィルター掃除です。筆者がテレビ番組のロケなどで一般家庭に行きエアコンを開けて見ると、全面にホコリがこびりついているフィルターが出てくることが多々あります。ホコリがこびりついていると中からの冷風が出る場所を失い、冷えなくなるので設定温度を下げることになり、余計に電気代がかかってしまいます。

最新型で自動で掃除してくれるタイプのエアコンであればよいのですが、そうでない場合は手動でフィルター掃除が必要です。

エアコンのフィルターは定期的に掃除

また忘れられがちなのが、エアコンの上部の掃除です。なかなか見る機会がないと思いますが、エアコンの上部はふさがっているのではなく、空気が出入りするようにオープンになっています。最近では100円ショップでも柄の長い掃除グッズなども売られているので、うまく利用して手の届きづらいところも掃除するようにしましょう。

見落としがちなエアコンの上部

エアコンの室外機も節約に関係してくる

エアコンの電気代節約というと、エアコンの設定温度ばかり注目を集めがちですが、外に置いてある室外機も電気代を左右する大きな要因となってきます。注意する点は2つです。

・室外機の前に物を置かない
前に物を置いて空気の流れを塞いでしまうと、余計なエネルギーを必要としてしまいます。

・直射日光が当たらないようにする
室外機に直射日光が当たり温度が上がってしまうと、そこで温度を下げようとして無駄なエネルギーを使ってしまいます。マンションなど置き場が制限されて、どうしても直射日光が当たってしまう場合は、すだれやサンシェードなどを利用して日陰を作ってあげるようにしましょう。

最近では100円ショップでもすだれやサンシェード、それらを設置するための留め具も売られています。大きさによっては100円より少し高い商品もありますが、それでも大した金額ではありません。

価格もお手頃なすだれ

日中の室温を上げないようにする

忘れられがちですが、室温が高ければそれだけエアコンの労力を必要とします。日中の室温を上げないようにするには、やはり直射日光が入り込むのを最小限にする必要があり、カーテンやサンシェード、すだれ、よしずなどを活用するのがよいでしょう。

日中、家にいない人も、室温を上がらないようにしておくと帰宅後の暑さをおさえられ、エアコン運転開始時の電気代を節約することができます。

「エアコンの電気代を節約」というと、設定温度を28度にということばかりが注目されがちですが、それ以前の環境を整えることによって大きく節約することが可能です。今年の夏はぜひ試してみてください。

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